111話目 三人はどういう集まりなんだっけ?
評価をしてくださるとポイントが入って作者が喜んで続きを書くけれども気力の限界が近いので、気力が尽きるのが先かポイントが尽きてランキングから落ちるのが先かのチキンレースになっています。
もしかしてここにツイ垢置いたらくっそ少ないフォロワーも増えんじゃね?と思ったので置いてみる。
あ、でもグラブルのツイート回復とか救援募集とか流れてくるのでフォローしてみようかな?って人はご注意ください。
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最初この依頼を受けた時には変な護衛だな、としか思ってなかった。リョウって男は姫さんの付き人のはずなのにあたしが姫さんに近づいてもまるで警戒していないし、それどころかそもそも周りに注意を払っている様子すら無え。
加えて旅の知識もまるで持ってなくて、むしろ姫さんの方が詳しいくらいだ。姫さんはちょくちょくギルドに顔出ししてたし、昔は今の皇帝と一緒に旅をしてたって話もあるから詳しいのは当たり前なんだが、それでも付き人ならちょっとくらい勉強するもんだろ? 現にもう一人の付き人のお嬢ちゃんもリョウよりは旅の知識を持ってたんだからな。
あたしはリョウがどう考えても足手纏いになると思ってどうにか別行動が出来ねえかって思ってたんだが、丁度良いことに姫さんが選んだ依頼は別行動をするにはもってこいな内容だった。見たところリョウはかなりの面倒くさがりだから、誰か一人しか行けないとなれば喜んで街に残るもんだと思ったんだが……、予想外にも全員で行くとリョウは言い出した。
能力も無いくせに忠誠心だけはあるっていう一番面倒なタイプだったみてえだ。こりゃ道中で苦労することになるだろうな、なんて考えちまって思いっきり顔を顰めちまったが、まあご愛敬ってやつで頼む。
けれど意外なことに旅は順調なものだった。懸念してたリョウはぶつくさ言いながらもこっちの指示にはキッチリと従ったし、シャルの嬢ちゃんや姫さんがリョウに声かけしてたお陰であたしがケツをひっ叩く必要も無かった。
だがそれよりもあたしはこの三人の関係がよく分かんなくなっていた。シャルはリョウの事を『師匠』なんて呼んでるし、姫さんに至っては『リョウ殿』なんて『殿』付けで呼んでる始末だ。思えば全員で村に行く事を決めたのもリョウだったし、まるでリョウがこの三人の頭みたいにも見える。
シャルはリョウと同じ魔法使いってことだしリョウにベタ惚れみたいだから納得は出来るが、なんで姫さんが『殿』って呼んでるのかがさっぱりわからねえ。まさかとは思うが、姫さんが恐ろしい魔の森の魔法使いに貢物として渡されたって噂が本当で、リョウがその魔法使いだとか……? いやいや、そんなやつがなんで冒険者なんかになるんだよ。
…………。だー! くそ! 考えても分かんねえ! それにこっちは護衛の依頼を受けただけなんだから三人の関係がどうだろうとあたしにゃ関係がねえ! とにかく! 今はあたしが受けた護衛の依頼をきちんとこなすだけだ! ついでに! 冒険者の『ぼ』の字も知らないリョウに冒険者のイロハを叩きこんでやる!
テントも碌に張れねえんじゃこれから先冒険者なんてやってけないからな! その他にも見張りで寝ないための豆知識だとかも教えたし、水場の探し方や食える雑草と食えない雑草の見分け方なんかも教えてやろうと思ったんだが……、二人が魔法使いだってのが本当だったのとシャルが凄かったのもあってそれを教える機会は無かった。
それとつい気が良くなってシャルをあたしのチームに誘ってみたが、その話はとんでもない禁句だったようだ。シャルはそこらの上級冒険者なんか目じゃないくらい強烈な殺気を放ってきて、リョウが止めてくれなきゃあたしも姫さんみたいに切りかかろうとしたかもしれねえ。
あの殺気を一番近くで浴びていたのはリョウのはずなのに、あいつは何でもないように普段通りの態度でシャルを止めてた。本気でビビっちまったあたしが馬鹿みたいに思えたが、あのままじゃ護衛対象に切りかかるなんていう冒険者にあるまじきことをやっちまうところだったから素直に礼は言っておこう。
気が付いてみりゃリョウに持ってた『面倒なやつ』って印象はすっかり消えて、代わりに『手のかかる仕方のないやつ』って思うようになってた。口じゃ色々言ってるけどこっちの話は真面目に聞いてるし、へたくそでも真剣に作業はしてる。見てて色々と危なっかしいやつだけど悪いやつじゃねえ。弟がいたら多分こんな感じなんだろうな。
姫さんとシャルが振ってきたどうでもいい話題にもなんだかんだでしっかり付き合ってるし、姫さんがリョウに懐いてるのも仕方ないかもしれないねえ。ギルドに来てた時はたまに寂しそうな顔をしてたし、同年代でそうした関係の人間が居なかったみたいだったからな。
…………。シャルと争うことになったら応援くらいは一応してやるよ。
大学生1年の頃、私は自転車で大学に通っていました。結構遠くから通っていたので一限に行こうとするとそれなりに朝早くに出発せねばならず、朝に弱い私には鬼門でした。
まあそれでも普段は朝食を食べれば出発する頃にはしっかりと目が覚めているのですが、その日はどうにも眠気が酷くて仕方がありませんでした。
そして自転車を運転している最中に意識を失ったらしく、その結果私は見事電柱に真正面からぶつかってしまいました。しかもその当たり方が実に見事にど真ん中だったらしく、自転車は倒れたり横にそれたりすることなく立ったままその場で停止し、衝撃は全て私に跳ね返ってきました。
そしてその際にペダルから足を踏み外し、衝撃の大部分がペダルを通じて私の左足の脛に直撃し、かなりの出血をすることとなりました。
今でも触ってみると若干肉が削げているのが分かりますし、毛深いのにそこだけ毛が生えておりません。
友達と旅行をする予定でして、『話すネタ考えとけ!』と言われたので温泉に入った時に実際に足を見せながら話そうと思います。




