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友人が「夕焼け」して登校してきたときの話

作者: 丸ノ内レン

これは、僕が中学生だった頃の話だ。

その日僕は、僕よりも遅く登校してきたタナカの異変にすぐに気がついた。

その日のタナカはオレンジ色だった。

「いつもより少しオレンジ色に見える」というレベルではなく、「もうどうしようもないほどにオレンジ色」だった。

『お前、まさか夕焼けしたの?』

『まぁ、そうなんじゃないかな?』

『そうなんじゃないかな?ってお前、完全に夕陽に染まってるぞ』

『昨日は少し、夕陽を浴びすぎたかなという自覚はある』

『お前、「夕焼け止め」は塗っておかなかったのか?  だいたいさ…』

僕の言葉が少し説教染みてくると、彼はそれを遮るように、ひとつ大きな咳払いをした。

そして、僕の頭のてっぺんからつま先までじっくりと見回した後、少し笑みを浮かべ

『今のお前にだけは言われたくない』

とだけ言った。

僕は少しの間、その言葉の意図を掴めずにいたが、自分の体に目が行くとすぐに納得した。

そういえば、そうだった。

僕も昨日の夜から、夕闇に染まったままだったんだ。


「追記」

タナカはその日、夕焼け同様のうっかりで髪が新緑に染まってしまい、

それからしばらくの間、「柿」というあだ名で呼ばれていた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 変態!ここに変態がいます!
2015/08/12 08:18 退会済み
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