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エピローグ
悪魔は、トウテツの羊の体を抱え、涙目で、天に昇る肇と玲子の魂を見送っていた。
「惜しかったものだ」トウテツはなるべく動かないようにじっとしている。
「あれほどの魂だ。一筋縄ではいかぬと分かっていたが、な」コントンはもごもごと慰める。
「まあ、今回は残念だったが人間なんぞいくらでもいる」キュウキが目を細めながら喋る。
「とは言え、あれほどの魂にはそうそうお目にかかれないが、な」空気を読まないトウコツ。
三匹がトウコツを睨む。トウコツは慌てて咳払い。
悪魔はトウテツをぽいと放って、ぴょんと跳んだ。四凶は慌ててその後姿を追った。
手塚肇は、病院にて一人、穏やかな顔で、静かに息を引き取った。