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あとがき

異世界で孤児になった男を最後までご覧いただき、ありがとうございました。

最後まで書ききれて、作者自身がホッとしております。


以下は、あとがきと言うより作者の言い訳ですので、苦手な方は読まない方が良いと思います。

ネタバレもありますので、注意してください。





そもそもこの作品を書こうと思ったのは、この『小説家になろう』のサイトで、多くの優れた異世界召喚モノの作品を読んだことがきっかけでした。


いわゆる異世界召喚モノは、古くからあるジャンルのひとつで作者自身も大好きです。

確かに、なろうの作品には、すばらしい物がたくさんあります。

ですが、数を読んでいるうちに、いくつかの不満が出て来ました。


それは、異世界のオリジナリティーに乏しい作品が多い事、魔法や魔術に対する考察が足りない事、圧倒的に中高生の主人公が多く、よくあるバトル物やヒロイック物が多い事などです。


世界感は中世ヨーロッパ風で、勇者として召喚されるか、偶然により理由も無く異世界に迷い込む場合が多数を占めます。

前者はともかく、後者はご都合主義が無ければ、呼吸すら出来ず死ぬはずです。


戦う魔物もゴブリンとかスライムとか、人類以外はエルフやドワーフ、貴族がいて、冒険者ギルドがあって、ダンジョンがあってと実に画一的です。


魔法もほとんどがイメージで操作でき、チート設定が多く、そうでなくてもまるでゲームのように主人公は成長していきます。


そして多くの主人公が、パーティーを組み、冒険者ギルドに入り冒険したり、迷宮に入ってレベル上げをしたり、それ以外は、いきなり学園ものに突入したり、貴族の一員になったりして全体的に見れば物語はありきたりです。


何より、物語に区切りも付けずに放置している作品が多い事が、読者に対して不誠実だと感じました。

時間が無いから更新しないなんて、単なる言い訳で、やれば出来るだろうと思いました。


しかし、文句を言ってみても建設的ではありません。

作者は初心者同然ですが、いっそ自分で書いてみようかと思ったのです。

現実に起こり得る、異世界召喚の物語を。

しかも、毎日更新による完結を目指して。



まず、異世界に行く理由を考えなければなりません。

もちろん、行き先の異世界はどんな世界なのかも含めて。

魔法はどうするのか、そもそも魔法が存在できる物理世界とは何か、異世界トリップには何が必要か等を細かく設定しました。


そして生みだされたのが管理者と、魔素に溢れ思考力が物理的に存在する惑星ルミネシア世界でした。

表面的に見れば、目新しく感じない世界が出来た為、残念に思った事を覚えています。


次に、気付きました。

考えてみれば、そもそも、この構築自体が無粋なことです。

ファンタジーは、そんなことまで考える必要はありません。

要は楽しく、読者が納得できればいいのですから。


ですから、この物語はSFです。

地球とは少し違う世界で、おっさんの主人公がどう生きるかを書きたかったからです。

なので、異世界の常識で起る事以外は完全に排除しました。

唯一つ、管理者の存在を別にして。


そんな事情もあり、この物語は、異世界の設定の整合性を重視し、一見そう見えても、作者の都合よく話を展開していません。

これらの事情は、作者が勝手に決めた事なので、読者には本来関係ない事です。

不満が出ても当然だったと言えます。


色々考えた結果、主人公、黒部義人を若干チート設定にする事にしました。

例え主人公が若干チートでも、場合によっては、バットエンドや放浪エンドも、十分にあり得ると思って、序盤は話を作りました。


しかし、管理者の目的は繁殖です。

優良種は増やしたいはずです。

世界の根幹をなす存在の意向を無視できず、主人公は第09話、閑話の時点でひどいチート設定になってしまいました。


じゃあ彼を馬鹿か、普通の男に出来たかと言えば、不可能でした。

設定により、異世界トリップをした事情をどうやっても知る事が出来ない彼は、精神を病むか、あっさり死んで其処で物語は終わりです。

『阿Q正伝』のような物語にするならともかく、さすがにそれでは後味が悪すぎますから。


仕方なく管理者の意向通り天才設定にしたら、ヨシトは勉強ばかりして全く動きません。

そりゃそうですよね。

勇者でもあるまいし、無理やり戦わすどころか、都合よく障害を与えるなんて簡単には出来ません。

そんな世界では、主人公はともかく、他の人類が生きていけないでしょうから。


しかも、当初のプロットでは、諸国漫遊をするうちに異世界の人達とふれあい、家族を作っていく話の予定でしたが、本人はもちろん、周りに優秀な人達がそろい過ぎた為、そんな流れには出来ませんでした。

これも仕方なく、第23話の辺りで、テーマをヨシトの抱えている問題からの解放にせざるをえませんでした。


最終的に決まった大筋は、以下の通りです。


ヨシトは、管理者から極めて優れた能力をもらいましたが、その理由も解らず苦悩します。

ミランダの件で、自分の生い立ちや心の負の部分を強く意識し、それを解決する努力を始めます。

次に、タリアのことでは、自身の問題を解決しなければ恋も進展せず、人間関係は運命によっては、どうにもならない事があるのを実感します。

更に、ゴルゴダで親友達の力を借り、自分の心と戦う決意を固めます。

最後に、ポルプの件で、自分の生まれに対する社会的な後ろ盾を得ました。


ここまでが物語の本筋で、ヨシトの問題は解決したと言っていいでしょう。

後の部分は、多くの読者に見ていただいた御礼の意味を含めて書きました。

そして、エピローグにつながります。

楽しんでいただいたかどうかはともかく、予定していた内容は書ききりました。


そして、チート批判を頂き、テンプレ世界やありふれた設定には、それなりの理由があると結果的に思い知りました。

やはり多くの読者は、こんな物語を求めていなかったのかもしれませんね。

ものすごく手間がかかった割に、物語が制限されてしまいましたから。

これが、自縄自縛と言うものでしょう。


つまり、この話は趣味全開の小説だったと言えます。


そんなこんなで、疲れました。

約5日分の余裕を持って投稿し始めましたが、毎日更新は、苦行でした。

でも、多くの方がお気に入り登録してくれた事が本当に力になりました。

全くと言っていいほど宣伝していないにも関わらず。


最後に、そんな自分勝手な作者の物語に最後までお付き合いしてくださった皆様に、この場を借りて、改めて心からの御礼申し上げます。


本当にありがとうございました。


pupu


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