3話 白と蒼の旅立ち
仲間を救うために雪菜と海斗は、ある場所へ向かっていた。
「おい、雪菜。どこに行くんだよ?」
海斗は前を歩く雪菜に問いかける。
すると、雪菜は振り向いて答えた。
「緑の勇者を救いにいく。一族ウィン・リーンの代表のね」
シークブルー一族の海斗。
聖白一族の雪菜。
そして、ウィン・リーン一族の緑の勇者。
海斗は、一族の名前を覚えるので必死なようだ。
しかし、海斗は気をとりなおし、実はさっきから気になっていた事を雪菜に問う。
「なぁ、なんで雪菜は、着物きてるんだ?」
実は、海斗が六彩国に着いた時、雪菜は白い着物を着て、水色の雪の柄がついた帯を締めていた。
しかし、普通の着物ではなく、丈がひざ下ぐらいまでしかない着物である。
そして、右耳には雪の結晶のイヤリングをしていた。
もちろん、地球にいた時は普通の制服だったのに。
「あぁこれ?。聖白一族の民族衣装だけど・・・。海斗も着てるじゃん。民族衣装」
?。
海斗は疑問に思い自分の姿を見た。
海斗は、空色の軍服の様な服を着ていた。
そして、青地に十字架のような刺繍が、左胸のあたりに施されていた。
「な!?。これがシークブルーの民族衣装か!?。んじゃぁ、この刺繍はなんだ?」
「その刺繍は、シークブルーの紋章。私のイヤリングは聖白の紋章なの」
「・・・家紋みたいな?」
「まぁそんな感じ」
海斗は自分の服装に驚きが隠せないが、気にしても無駄なことに気付き、もう気にしなかった。
それからは普通に2人で歩き続けた。
まぁ、海斗は驚きの連続で疲れ切っていたのもあるのだが。
永遠と続きそうな草原の草1本1本が背が高くなり、木も見えてきたころ、雪菜が急に足を止めた。
「どうしたゆ―――――」
言葉を言い終わる前に、海斗は雪菜に押し倒された。
「お・・・おい雪菜!・・なんの真似だ!!」
「しっ!・・・・敵が来てる」
雪菜にそう言われ、海斗は慌てて前を見た。
雪菜も、立ち上がり前に向く。
前方には、緑色のターバンで顔を隠した敵が・・・軽く30人ほどは存在していた。
「・・・なぜ全員緑?」
海斗はすこし引き気味で聞く。
「・・・緑の勇者を捕らえた奴らね。海斗、止めてやりましょう」
雪菜は一言そういうと、さっきも見せた白と黒の短剣を抜き、敵の懐へ突っ込んだ。
「おい、雪菜!危な―――」
しかし、叫ぶ事もできずに海斗は絶句した。
雪菜はたくさんの敵を、物怖じもせずに2本の短剣で切り捨てていた。
常人の能力ではもちろんない。
それを見て海斗は、あぁやっぱり雪菜は白の勇者なんだなぁと呑気なことを考えていた。
雪菜は、そんな海斗には目もくれず確実に敵の数を減らす。
30人以上いた敵が、20人ほどへ。そして、今は15人ほどになっている。
「・・お、お前ら!・・・全員でかかれ!!!」
敵の大将を思える人物が、慌てたのか仲間にそう命令する。
敵達は、圧倒的な人物相手に一瞬戸惑ったが、雪菜の方に突進してきた。
「ゆ、雪菜!さすがにやばい!!」
海斗も、思わずそう叫んでしまった。
しかし、雪菜は強かった。
「白幻覚!!」
雪菜の叫びと共に、白の短剣が光る。
そして、雪菜に突進していった敵は、その場に倒れ伏した。
「・・・え?」
海斗が呟きをもらしたとき、その場には、雪菜と海斗しか立っていなかった。
「お、おい雪菜・・・・」
海斗が不安そうに声をかける。
すると、雪菜はいつもどうりの笑顔で笑う。
「大丈夫海斗?。あ、この人達は死んでは無いよ、幻覚だから。・・・・仮死状態だけど」
「いいのか!?それ!?」
海斗が目に見えて分かるほどに怯える。
「あはは、だいじょ―――――っっっ!!」
「・・・雪菜!?」
「ちょ・・はな・・し・・」
「貴様・・・今のは白幻覚だな。白の勇者か?」
気がつくと雪菜は謎の男に腕を掴まれていた。
男は細身で長身。黒い髪の色をしていて、目の色は良く見えない。
しかし、さっきまでの緑の集団とは、全く別の人間のようだ。
「雪菜!。今助ける!!」
「・・・甘い」
男は突進してきた海斗を片手で吹き飛ばした。
「う・・うわぁぁぁっっ!!」
「海人!!」
雪菜の叫びが聞こえる。
すると、男は海斗を無視し、雪菜に問いかける。
「白の勇者は殺めたはずだが・・・。次代の人間か貴様」
「だから、それがなんだって言うの?。貴方にか―――――」
雪菜の声が止まる。そして、雪菜の顔がみるみる内に青ざめた。
「雪菜・・・?」
海斗は名前を呼ぶが、雪菜は聞いていない。
「・・そのイヤリング。もしかして・・・貴方は・・・」
雪菜は1人で何かを呟く。なぜか、男のイヤリングになにかあるようだ。
「・・・・?。まさかお前・・・」
男の方も顔を顰める。
しかし、その表情はすぐに元に戻り雪菜を見下す目線で見る。
「まぁ・・・。赤も緑も黄も封印したんだ。・・・お前も封印しないとな」
赤、緑、黄。各勇者のことだろう。
「あ、貴方が・・他の勇者を封印・・・!?」
雪菜もそれに気付き、抗議の声をあげる。
男はそれに動じることなく、答えを紡ぐ。
「あぁ俺が、赤、緑、黄の勇者を封印した。・・・それに今日、白の勇者、お前も闇の底に葬り去ってやる!!」
男は、雪菜を引きずるように何処かへ去ろうとする。
「お、おい待て!!」
海斗は体を起こし、男に叫ぶ。
しかし、男は止まらなかった。
「・・・雪菜を、・・・雪菜を助けねぇと・・・」
このままでは、雪菜も封印されてしまう。
海斗は後先を考えずに、自分に戦う手段は無いのに・・・叫んだ。
「おい!、そこの男!!。俺が相手だ!!」
「こんにちは!悠莉です」
【こ・・んに・・ちは・・・蒲沢公・・・】
「死にかけ?」
「リアルに大丈夫なの!?蒲公英。」
【大丈夫ジャマイカ】
「死ねばいいのに」
「まぁ気を取り直して、まずお詫びです。更新が大幅に遅れてすいませんでした」
【また、私原稿で1話以上の駄文です。蒲公英は退化しています】
「駄目じゃんそれ」
【まぁいいや「よくない!」今回は何の話題?】
「正直ネタ切れ」
【もなずく、そして眠い】
「なんかいろいろ死にかけているので、今回の感想と次回予告のみで!」
【今回、雪菜が主人公だね、私は雪菜大好きだ!】
「海人は!?海斗は!?」
【いや、もちろん海斗も好きだよ、でもりょっk】
「ネタばれは止めなさい」
【すいません。以後気をつけます】
「よし、これ以上先は危険だから、次行こう」
【はい、次回は、海斗の力ついに覚醒!。蒼の勇者の力とは!】
「そして、海斗は雪菜を守れるのか!!」
【Legend~六人の勇者~第四話『蒼の覚醒』お楽しみに!】
【もちろん次は悠莉原稿です!!】
「はいはい。おとなしくしなさい」