CIC、指示目標!
2025年 某月。太平洋某所、日米合同演習海域。
仮想敵国からの「弾道ミサイル発射」および、それに呼応した「航空部隊からの飽和攻撃」を想定した複合シナリオ。
SCENE 1:DDG-X03『みやつかぜ』CIC
~ 成層圏の刺客 ~
艦内照明が「青」から、戦闘配置を示す「赤」へと切り替わる。
静寂なCICに、電子的な警報音が鳴り響く。
戦術行動士官(TAO)
「早期警戒情報、受信しました! リンク16よりデータ入電!」
「仮想敵国奥地より、熱源探知。……弾道ミサイルです!」
『みやつかぜ』艦長
「総員、配置につけ。……対BM(弾道ミサイル)戦闘用意!」
CICクルー一同
「対BM戦闘用意!!」
(艦内にウーウーウーッというあのアラーム音)
『ピーン ピーン ピーン……』
レーダー管制官
「SPYレーダー、目標コンタクト!
方位2-7-0、高度150キロ、速度マッハ8。……数、1!」
射撃指揮官
「コース計算……出ました。
目標については、本艦防御領域内に弾着します!」
『みやつかぜ』艦長
「対処する。
対BM戦闘、XR-3(S.O.D.U製・長射程迎撃ミサイル)……攻撃はじめ!」
戦術行動士官
「XR-3、攻撃はじめ!」
射撃指揮官
「VLS、1番、2番……発射準備よし。
FCS(射撃管制装置)、ロックオン!
指示目標、ホーク1!」
『みやつかぜ』艦長
「(撃)てーッ!」
射撃指揮官
「(撃)てーッ!」
(ボタンを叩く音)
シュバッ!
(モニター上で、VLSからミサイルが飛び出す映像)
ミサイル管制員
「XR-3、発射! ブースター点火、正常!
大気圏外へ上昇中。……第2段ロケット燃焼終了。ノーズコーン分離!」
レーダー管制官
「目標まで……距離50キロ。相対速度マッハ15!
インターセプトまで……5、4、3、2、1……」
レーダー管制官
「……マーク・インターセプト!」
戦術行動士官
「目標ロスト! デブリ確認。
……目標、対処しました! 撃破を確認!」
『みやつかぜ』艦長
「攻撃やめ。 次弾装填急げ」
射撃指揮官
「攻撃やめ!」
SCENE 2:DDG-X05『あきつかぜ』CIC
~ 海面を這う殺意 ~
弾道ミサイルの対処が終わった直後、海面スレスレを飛来する「対艦ミサイル群」が『あきつかぜ』を襲う。
電子戦管制官(EW)
「ES(電波探知機)反応あり!
……本艦、捕捉された模様!
方位0-9-0より、強力な誘導電波!」
レーダー管制官
「低高度に反応多数!
対艦ミサイルです! 数、8! 亜音速!」
『あきつかぜ』艦長
「来たか。……対空戦闘用意! 全目標、叩き落とせ!」
CICクルー一同
「対空戦闘用意!!」
射撃指揮官
「FCS起動。全目標を同時捕捉。
……目標8機、XR-2(中距離艦対空ミサイル)、発射!」
『あきつかぜ』艦長
「てーッ!」
射撃指揮官
「てッ!」
ドッ! ドッ! ドッ! ドッ!
(間髪入れずに連続発射されるVLSの音が、CICまで微かに響く)
ミサイル管制員
「XR-2、8発発射!
誘導開始……中間誘導、良好。
ターミナルへ移行!」
レーダー管制官
「イルミネーター照射!
……スプラッシュ1! ……スプラッシュ2! 3! 4!」
(オペレーターの声が早口になる)
「全弾命中! 目標、全機撃墜!」
『あきつかぜ』艦長
「……ふう。相変わらず騒がしい客だ。
攻撃やめ。 残敵を捜索せよ」
戦術行動士官
「攻撃やめ!
周辺空域、クリア。……脅威、ありません!」
【演習を見守っていた米海軍『ジャクソン』のブリッジ】
マイク中佐が、双眼鏡を下ろして呆然と呟く。
「……おい、見たか今の」
「はあ。弾道ミサイルを宇宙で叩いたと思ったら、その10秒後には海面のミサイル8発を同時迎撃ですか」
「『ジパング』……だったか? 日本のアニメにそんな船が出てきたらしいが。
まさか現実で見せられるとはな。……あいつらのCICは、一体どうなってるんだ?」
天津風型駆逐艦の姉妹艦の力を、
見ることが出来てよかったと思います。




