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 エドモンド・クラークはアイリスをエレベーターに乗ったのを見送ると、食事に誘うなど自分らしくないことをしたとため息をついた。母の実家であるフォスター家のことで弁護士から連絡が来たのは、今から三週間前のことだ。突然の電話に驚いたが、長い間母の悩みであったフォスター子爵の訃報を聞き、エドモンドの胸中は複雑であった。


 両親のことでエドモンドが知っていることは、母の実家は古き大陸のセロース国の貴族家であることで、新大陸の平民にすぎない父との婚姻を許すはずもなく、母と絶縁したと聞いていた。エドモンドの記憶にあるフォスター家の者たちはとても厳しく、冷たい者たちであった。

 エドモンドは子供のころにフォスター家の祖父母と叔父にも会ったことがある。父は母とエドモンドに双子を連れて大陸を渡り、援助を願い出たことがあった。母は実家に援助を願うことに反対だったのか、暗い顔をしていたのを覚えている。結果はひどいもので、特に祖父の怒りは激しく、父を財産狙いだと罵倒し、話を聞くどころか門前払いをした。母は泣き崩れ、お金のない中、ひどい旅をしながら国に戻ったのを今でも忘れることはない。

 子供のころはフォスター家に激しい怒りを持ち、父を認めない者たちが許せなかった。大人になり貴族というものを知るようになったころには、駆け落ちというものがどれだけ貴族にとって家門を傷つける行為であり、両親をゆるせなかったのだろうと冷静に理解した。

 それでも祖父母が亡くなったときでさえも、叔父は母の参列を許さない頑なな態度に嫌気がさしていた。母はこの四十年、フォスター家に謝罪し続けてきた。母は手紙を送り続けたが、叔父は最後まで許すことはなかったということだ。エドモンドは母の嘆き悲しむ姿を誰よりも近くで見ていた。

 叔父の訃報を聞き、フォスター家の関係がようやく終わったのかとむなしかった。母に叔父の訃報を伝え、母の落胆した姿を見てよけいにやるせない気持ちを味わった。

 エドモンドは、叔父の葬儀を含めすべてが終わったあとに知らされたのだから、フォスター家が母をゆるさなかったのだと受けとっていた。


「それなのに、いまさら」


 エドモンドは先ほど会ったアイリス・フォン・ディーンマークという名の貴族の女性を思い浮かべた。彼女のあの完璧なマナーと一つひとつの美しい所作は物語に出てくる淑女そのものであった。漆黒の髪に深い森の色をした瞳は幻想的で浮世離れしていた。この大陸のどこを探しても、あのような女性はいないだろう。


「不思議な人だ」


 叔父の訃報を伝えた弁護士は、その後、思いもよらない話をしてきた。フォスター家の資産に関して母マチルダと話がしたいと言い出したからだ。最初は何を言っているのか理解できなかった。母にフォスター家の遺産の権利があると言われ、母と直接話がしたいと言い出したからだ。

 エドモンドがフォスター家の親族たちを警戒したのは当然のことである。確かに叔父ジェームズが亡くなれば、フォスター家の中で一番の直系であり遺産相続人になるのは母に違いない。フォスター家の親族の間で起こる遺産相続に巻き込まれるなど冗談ではなかった。

 だからエドモンドは母にこの話をせずに、クラーク家は一切関わるつもりはないことを弁護士に告げた。父が亡くなり、家を守るのはエドモンドの役目である。今のクラーク家には莫大な財産がある。それをあちら側の親族たちに目を付けられるのも嫌であった。しかし、弁護士はやたらとしつこかった。何度も母と話がしたいと電話をかけてきた。そして、とうとう母の姪の子だというアイリス・フォン・ディーンマークという女性がこちらに会いに来るという話になった。


 部屋に戻ると、二人の弟が意味深な顔でこちらを見ていた。今回の件は、兄弟の中でもこの二人にしか話をしていない。次男のジョージと三男のダニエルは今回の会見に一緒に出席すると言ったのだが、エドモンドが止めて、自分だけで会うことにした。二人はどうやら好奇心に勝てなかったようだ。


「わざとらしく来るなんて、とても失礼ですよ」

「兄さん、ソファに座ったらどうです?あと、あの大陸からフォスター家の代表として来た人を見たいと思うのは当然だろう」

 ジョージは苦笑しながら答えた。ダニエルもジョージの隣で静かに頷いた。エドモンドはソファに座ると、そんな弟たちに少しきついまなざしを送った。

「受付の者は対処しましたか?」

 普段無口なダニエルが口を開いた。

「ああ、一応受付の二人から話を聞いてから、今日限りで解雇した。今は別の者が受付にいる。もともとあまり他の社員から評判が良くなかったが、今回の対応は目に余るものがあった。それに前も訪問客から苦情を受けていたから、二度もチャンスを与えるつもりはないな」

 エドモンドはその報告に頷いた。


「それよりも兄さん、あの女性がフォスター家とはどのような関係なんだい?こちらは散々いらないと断ったのにわざわざあちらの大陸から来たのだろう。ずいぶん若い女性ではないか」

 ジョージは表情を引き締めると身を乗り出した。ジョージが言うように遠い大陸から来た招かざる客はとても若い女性であった。二十歳ぐらいの女性が弁護士と二人だけでここまで来たことに驚いていた。エドモンドはアイリス・フォン・ディーンマークという名前の女性は年配の女性だと勝手に思っていた。貴族の思想に凝り固まった気むずかしい人で、母を非難しに来たのだと思っていたのだ。しかし、エドモンドの予想は大きく外れた。


「あの女性はフォスター子爵の孫にあたるそうだよ。子爵の娘の子供だとか。子爵の娘はディーンマーク家に嫁いでいるそうだから、彼女はフォスターを名乗っておらず、ディーンマーク家の人だ。もちろん、あの女性も貴族ですよ」

 昔ながらのグレーのワンピースに、きっちりと結った髪に古い黒いバッグを持った姿は、昔の映画に出てくる貴族の女性の姿そのものであった。

「そうだろうね。あの姿を見て映画のワンシーンを思い出したよ。あちらの大陸ではまだあのような服装なのかな」

「それで、エド兄さん。彼女は何と言ってきたのだ?」

 ダニエルの質問にエドモンドは何と答えてよいのか迷い、すぐに言葉が出てこなかった。正直にいって彼女の要求がよくわからなかったからだ。弁護士を通じて遺産は必要ないと言えば、あとはあちらで勝手に処理をしてくれると思っていた。それがわざわざ海を越えてまで来た理由は、言葉だけではなく正式に相続を放棄させるための書面でも持ってくるものだと思っていた。

 フォスター家の親族たちは母につらい言葉を向けるであろうと思っていたので、自分が話を聞き、相続破棄の手続きが必要ならエドモンドの方で対応しようと思っていたのだ。


「母と話がしたいとのことでした」

「悪くいうために?」

 ジョージの言葉は辛辣だった。

「どうでしょうか?一度も母をおとしめるような言葉は言っておりませんでしたが、わかりません。ただ、彼女からは母に対する悪意は感じられませんでした」

「それで、こちらはいらないって言ったのでしょう?」

「ええ、ジョージ。はっきりといらないと言いましたが、母に権利があると一点張りでしたね」 

「本当によくわからないなあ。お母さんは絶縁されているのだろう?権利なんてあるのかな?」

「ええ、あちらが言うには、セロースの貴族の系譜に母の名前が残っているそうです。母はまだセロースの貴族であるとのことですよ」

 エドモンドは思わず笑ってしまった。母が貴族であったとして、それがいったい何の意味があるのか。ああ、でもと考えを改める。その貴族の系譜に名前があるからこそ、母に爵位の継承権があるというのだ。エドモンドはどこか苛立った気持ちで大きく息を吐き出した。今回のことはどうもすっきりとしないし、腑に落ちない点ばかりであった。


「エド兄さん、ずいぶん機嫌が悪いなあ」 

 ダニエルの言い方にエドモンドは弟をにらんだ。

「ええ、それはそうですよ。なぜ、彼女がフォスター家の代表で来たのかが理解できないからです。フォスター家の男が来るわけでもなく、そもそも彼女は他家のものだからね。それも四十年前の話など彼女に関係ないことでしょう。他の者たちはどうしたのでしょうかね?せめて、彼女の母親、フォスター子爵の娘が来るべきでしょう。フォスター子爵の娘の夫でもいい」

 

 アイリスは母のマチルダのことを一切悪くは言っていなかったし、誰かに何かを言われてこの場に来ているようにも見えなかった。エドモンドは彼女と話をしているうちに、自分は何か勘違いをしているのではないかと思うようになっていた。

 エドモンドが母に会わせたくないといったときの彼女の表情は、仮面のように表情を失くした。そのときになってようやく、彼女にフォスター家が今どうなっているのかを聞くべきだという考えに至った。

 アイリス・フォン・ディーンマークという女性の服装は古めかしく、裕福そうには見えなかったことも理由の一つである。もしかしたら、フォスター家は没落したのではないかという考えが過ったからだ。


「なんか、こちらがいじめているような感じだな」

 ぽつりと呟いたダニエルの言葉がエドモンドの本音を的確に代弁していた。そう、このいらだちは母とフォスター家の確執に何も関係のない若い女性が来たことにあった。エドモンドは何も関係のない女性に、フォスター家に対する拒絶の言葉を言わなければならなかったことにいらだっていたのだ。


「彼女にははっきりと母に会わせたくないと言いました。フォスター家の遺産もいらないとね。母の苦しい立場を聞いて、彼女も弁護士同士で話し合うことに同意しました。でも、彼女が母と何を話したいのかもっと聞くべきだと思っていたところで、あなたたちが入ってきたのですよ。おかげで、彼女は帰ってしまいました」

 この二人がタイミング悪く入ってきたため、もっと詳しい話を聞くことができなかったのが悔やまれる。不機嫌な表情のまま二人を睨むと、二人は苦笑いをした。


「すみません。でも、どんな人が見ておきたかったのですよ。そうしたら、ダニエルも一緒に行くといいだしたから、それなら二人で行こうとなって」

「タイミングが悪いのですよ。もしかしたら、フォスター家は没落したのかもしれません。遺産と言っていますが、借金ばかりのどうしようもない代物かもしれませんね」

「うん、それもありうるね。あちらの大陸の貴族たちは金に困っていると聞くしね。失礼だけど、彼女の服装からして裕福そうには見えなかった。それならフォスター家の親族たちは負の遺産を引き継ごうとしないから、子爵の孫である彼女が割を食ったのかな」

 ジョージは大きく息を吐き出すと、足を組み、肩をすくめた。ジョージが言うような理由であれば、彼女が母を頼ってここまで来たのも理解できる。あのようなお金もなさそうな若い女性にとって、フォスター家の資産は手にあまるものであろう。修繕が必要な古い屋敷など負の遺産としかいいようがない。

 それにエドモンドとしてはフォスター子爵家の爵位がどうなっているのかが気になった。

 いろいろと判断するには情報が少なかった。今さらであるがこの話が弁護士からもたらされた時点で、もっとフォスター家の現状を調べておけばよかったと心の中で悔いる。


「ダニエル、フォスター家の現状を調査しなさい。いくらかかってもかまいません」

「うん?興信所を使ってまで調べるのか?大陸をまたいだ調査だから、受けてくれるところも限られてくるなあ」

 のんきな声で答える三男は会社の仕事においても情報収集を担当している。ダニエルの能力は情報収集や分析にすぐれており、エディオン海運がここまで拡大したのもダニエルの能力があってこそであった。ダニエルならそう時間をかけずともフォスター家の内情を調べてくるだろう。

 エディオン海運はCEOであるエドモンドとCOOにジョージが、ジョージの直属の部下としてダニエルが就任している。もし父が早くに亡くならなければ、エドモンドはCEOになることなく、エディオン海運はジョージに直接引き継がれていただろう。

 エドモンドは父に初めからエディオン海運を引き継ぐ気持ちはないことを宣言していたし、ジョージとダニエルがこの会社を引き継ぎたいと言っていた。しかし、父の早すぎる死によって、二人の弟はまだ若く未熟であったため、一旦はエドモンドが引き継ぎ、ジョージとダニエルを教育することにした。ようやくジョージを二年前にCOOに就任させ、現在は事実上ジョージがこの会社の運営を担っているといってもよい。三男のダニエルをジョージの補佐役にし、うまいこと運営するようになってきた。

 エドモンドはもう少ししたら、ジョージにCEOにダニエルをCOOにし、自分はこの会社から離れるつもりでいた。自分の望みは二人の弟に話をしており、だからこそ二人はこの二年間必死にエドモンドの下で会社を引っ張ってきたのだ。

 たくましくもあり、将来有望な二人はエドモンドにとって自慢の弟たちだった。


「確か子爵には子供が二人いたはずです。子爵には息子と娘がいると子供のころに母に聞いたことがあります。子爵の娘というのが、さきほどのアイリス嬢の母親ということでしょう。それなら子爵の息子はなぜ出てこないのかが気になります」

「お母さんは俺たちに気を使ってフォスター家の話をほとんどしないからなあ。エド兄さんが一番聞いているだろう。確かに子爵に二人の子供がいるのなら、孫が出てくるのも変な話だな」

 ダニエルは唸るように言うと、ジョージは大きくため息をついた。

「本当に没落したのかもしれないぞ。子爵の息子はこちらにくるどころではないのかもしれない」


 エドモンドはやはりどこかすっきりとしなかった。確かに兄弟の中でフォスター家のことを一番知っているのはエドモンドであっただろう。エドモンドが知っているフォスター家の者は母の父である祖父と母の兄であるフォスター子爵であった。あとは、母が二度フォスター家の屋敷にいったときに窓越しにこちらを見ていた二人の女性だけである。

 祖父には一度しか会ったことがないし話しかけてもらったこともなかったが、母の兄であるフォスター子爵には直接何度か話したことがあった。その中でフォスター子爵は娘の話はしていたが、息子の話は一度も聞いたことがなかった。確かに母から子爵には二人の子供がいると聞いたのだが、もしかしたら自分の記憶違いの可能性もある。


「ダニエル。とにかく調べてみてください。もしかしたら、子爵は娘だけしかいないのかもしれません。私の記憶違いかもしれない。あとディーンマーク家もお願いします。セロースのディーンマーク家の名前を聞いたことがあります。高位貴族であったように記憶しています」

 古き大陸には多くの国があり、まだたくさんの王侯貴族が存在している。王族までは記憶しているが、さすがに貴族までは把握していなかった。しかし、ディーンマーク家の名前を聞いたことがあるということは侮れない一族かもしれない。知らなかったことで、どこで足元をすくわれるかわからない。調べておいて無駄ということはないだろう。

 ダニエルは少し考え込むように、あごを撫ぜた。


「わかった。調べてみる。念には念を入れて、フォスター子爵の娘がディーンマーク家に本当に嫁いでいるのかも調べてみよう」

 こういうダニエルの手堅い性格はエドモンドにとっても頼りにしているところである。

「それでフォスター家の調査はわかったけど、お母さんにはこのまま黙っているつもり?」

「ジョージ、フォスター家の調査が終わるまでこの話はこの三人だけにしてください」

「もちろん、それはかまわないが、兄さん、一番重要なことなのだけど、さっきなぜ彼女を追いかけて行ったの?」


 ジョージはにんまりと笑いながら聞いてきた。ダニエルも興味を持っていることを隠さずにエドモンドを見る。二人の弟にそのことを尋ねられるとは思っていたが、実際に質問をされると答えに困った。

 母と会えないとわかったときの表情をなくした顔が心に引っかかったなど言えることではない。彼女が立ち去る姿を見て、心がざわめいたなどと言えば弟たちは何というだろう。あのときエドモンドは迷いながらもあとを追いかけて部屋を出た。もう少し詳しい話を聞きたいと彼女に言うためであった。


「それは‥‥」

 彼女はエレベーターの前で、一人で立ち尽くしていた。その姿は今にも消えそうなほど、とても孤独に見えた。その姿はエドモンドの心に動揺を与え、とっさに彼女に声をかけていた。振り向いてこちらを見たときの彼女の瞳は、深くて暗い森の色であった。あの深い青緑色に見つめられ、心が揺れ動き、自分でも滑稽なほど彼女のことが知りたくなった。この国に知り合いはいるのか、どこのホテルに泊まっているのか、一緒に来た弁護士が来られなくなった理由は?弁護士が動けない状態なら彼女は食事などどうするのだろう。

 話を聞けば聞くほど心配になり、もっと話が聞きたくなり、最後には食事に誘っていた。


「弁護士同士ではなく、直接話をする必要を感じたからです」

「ふうん、なるほど。それで今度はいつ話をする?弁護士は体調が悪いといっていたが、弁護士の体調が良くなってから再度話をするのだろう?」

 エドモンドは言いたくなかったが、黙っているわけにもいかずに二人から視線をそらした。

「今日、ディナーに誘いましたので、そこで話を聞けるでしょう」

「はあ?!」

 ジョージは大きな声を出し、ダニエルは目を見開いたまま兄を凝視した。弟たちの反応は予測していたが、驚きすぎだと気まずくなる。


「信じられない。兄さんが女性を食事に誘うなんて‥‥」

「ジョージ、そこまで驚くことですか?」

「いや、兄さんが妹以外の女性とプライベートで食事に行くなんて、この三年なかったことだよ」

 ジョージに反論され、よくよく考えてみればその通りであった。

「エド兄さん、大丈夫なのか?」

 ダニエルの気遣うように聞かれ、エドモンドは苦笑した。


 ジョージに指摘され、もう三年もたつのかと感慨深くなる。婚約者を失ってから、家族以外の女性と食事に行く気持ちなど起きなかった。この三年間、婚約者を忘れたことがなかったため、別の女性と付き合う気持ちなど起きなかった。それなのにアイリスを食事に誘ったときは、不思議と元婚約者のことなど思い出しもしなかった。彼女がおとぎ話の住人のようにこの大陸の者ではないからだろうか。


「ええ、問題はありませんよ」

 少しおどけた顔で答えると、二人は顔を見合わせてから何か言いたげにこちらを見た。しかし、二人とも何を言ってよいのかわからなかったのだろう。言葉につまる弟たちに、エドモンドはすかさず話を別なことにすり替えた。


「それでは、この話は私たちの中だけにしてください。特に妹たちには知られないようにしてください」

「それは当然のことだな。母に知られるよりも厄介だ」

 ジョージは大げさに頷き、同意した。ダニエルも真剣な表情で頷く。二人の弟の真剣な表情に、これは大げさではないなあと、感情的な四人の妹たちに知られたら大事になると考えを改めた。アイリスのことを知ったら、母を守るために何をするかわかったものではない。四人が辛辣にアイリスを責めるのが想像でき、エドモンドはそれだけは止めたいと思った。


「まあ、兄さん。まずは今日のディナーで詳しく探ってきてくださいね」

 ジョージはにんまりと楽しそうに笑った。エドモンドも笑みを浮かべただけで、返答はしなかった。エドモンドの心は夜に会うアイリスのことばかりを考えていた。



 

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