私の名前はキラキラネーム?
「キラキラネームだよね」
先ほど、友達の梅香から言われた言葉が頭から離れなかった。私の名前が、どうやら世間で言うキラキラネームに当てはまっているらしかった。
今まで思ったことがなかったから驚いた。また、面と向かって私に言ってくる、梅香の心意気にも感心した。私が、傷つきやすい性格だったら、どうするんだろう。
ネットで、キラキラネームの意味を検索してみた。「一般的ではない漢字の読み方をする名前」とか、「当て字の名前」とか出てきた。言うなれば、変わった名前を指す言葉ということだろう。
確かに私の名前は珍しい部類に入る。同級生や先輩でも同じ名前の人は見たことない。「ゆい」という名前の子は、同じクラスに二人もいるのに。芸能人でも同じ名前の人は見たことなかった。
とはいえ、私の名前は当て字ではない。むしろスラスラ読めるほどだ。
例えば、天使と書いて「えんじぇる」と読ませるような名前ではない。むしろ、凪沙と書いて「なぎさ」と読ませるような、ありふれた名前だ。
私の名前は食べ物の名前にも変換できた。梅香は、そこに注目したのかもしれない。
だけど、「プリン」のような奇抜な名前ではない。むしろ「ゆかり」のような、古風で響きが良い名前のようにも思う。
ちなみに、私のお母さんの名前は朝子だ。私は、お母さんの名前の漢字一文字を貰っている。
お父さんの名前は直樹だ。そして、兄の名前は直人。兄もお父さんから漢字一文字を貰っている。
そういえば、梅香が今から家に遊びにくるんだった。部屋をきれいに片付けておかないと。
ピンポーン。家のチャイムが鳴る。
「朝理ーーー! 遊びに来たよーーー!」
玄関から大きな声で、梅香が私の名前を呼んだ。
小学生のような無邪気な声。私は掃除をする手を止めて、1階に降りた。