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第1話 逃走の夜

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魔物の支配の及ぶ、紅の木々を駆ける小さな影。  

魔都フェアンヴェーから研究資料を窃盗した、一匹のドブネズミは命からがら逃げ出す真っ最中であった。

ボロの布切れを羽織った鼠頭の獣人は幾度も振り返り、追手の魔の手を掻い潜りつつ、夜目を光らせる。


「何処にいる、七帝様に逆らうドブネズミが。ただでは済まんぞ!」

「そんなの、元からわかってやったんだっチュ……資料を早く届けないと!」


暗闇に怒号が響く中で囁くと、獣人は背中の小弓を手を取り、音を殺す。

悟られて仲間を呼ばれでもすれば面倒だ。

低身長の彼に合った、分厚い辞書のような大きさのそれに矢をつがえた。

毛の生えていない剥き出しの肌色の手に、力を入れて


(オイラにも譲れないものがあるっチュ!)


意思を秘めた一撃は空を切り、七帝の下っ端の脳天へと突き刺さる。

叫び声はなく、おそらく物言わぬ屍と化したのだろう。

敵とはいえ殺人に手を染めた、後には引けない。

口を開けば高鳴る鼓動が、周囲に漏れてしまうのではないか。

動けば草木が揺れ、居場所がバレてしまうのではないか。


(う……ジッとしていたらお腹が……)


獣人の代謝の影響で、小さな義賊の彼は意外にも大食漢だ。

このまま恐怖に怯え野垂れ死ぬ、最悪の選択を取るのは愚策。


(一か八か……っチュ!)


獣人は敵へと気づかれぬのを祈りつつ大地を駆けると、一心不乱に近隣の村まで向かうのであった。

小さな義賊 ボーガード・カッシュ


職業·盗賊シーフ

種族·獣人ワービースト

MBTI:ENFP

アライメント 中立·善


歓楽街フェアンヴェーから、とある研究資料を盗んだ鼠頭の獣人の義賊。

戦闘では小柄な体躯に合わせた小さな弓を器用に扱って敵を無力化し、悪を討つ。

鼠同様に前歯が伸びる体質で住民と出逢う度に硬い物を要求し、一心不乱に齧り、前歯を適切な長さに保つ。

温厚だが他人に流されない、確固たる意思を持つも若干間の抜けた性格。

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