表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カワノナリタチ  作者: LLX


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/23

第17話 アジロノハジマリノキミ

ヘビを食べたというクロさんに、ハレニギノヌシノカミがガーンときながら恐る恐る聞いた。


「ひ、光って〜〜た?」


「光ってなかった、でっかくて……美味かった。」


「じゃあ違う〜な。うちのは〜青、隣は〜白く〜光ってる。」


みんな、ホッとして息を吐く。

コマドリノカミたちが、その辺で聞いてくるわねと森へ飛び立った。


「ねえ、水が無くて大丈夫?」


「ほんと〜は、駄目。でも〜仕方な〜い。

はや〜く〜、うちの〜奴、どっちか〜さがし〜て〜くれ〜

わしの身体、光ってる?」


「光ってないよ、雨の日の空の色。」


「そうか〜、そうか〜、早く〜探さねば〜〜とても〜〜まずぅい〜〜〜」


ビチビチ、普通のコイと見分けがつかないヌシはちょっと元気が無くなってきた。

そうしていると、コマドリノカミ1羽が戻ってきた。


「アジロノカミの下流に流されてる、壊れた家のあとで白いの見たって。」

「今、ジュウカラノカミが探しに行ってくれてるわ。」

「アオハネノジュウカラノカミは身体が少し大きいの。

小さいなら連れてくるって言ってるけど、どうかしら?」


「もんだ〜〜〜い、ない。食べないよね?」


「カミよ」「カミなめんじゃないわよ」「そうよ」


「アジロノハジマリノキミってどんな感じ?」


「普〜〜通の〜〜〜奥さ〜〜ん。怖い。」


「「「「  こわい??  」」」」


やがて、カラノカミや沢山の鳥が、バタバタ集まって飛んできた。

ジュウカラノカミが、足に掴んでた干物をポイと放った。


「来たわよ。これ、ヌシでしょ?

ハジマリノキミはカラノカミの背中。」


「グアー!ガー!ガー!苦しい!首に巻き付いてるう!!」


「あら、ハジマリノキミ!」「来たわよ!」「ダンナ、どうにかして頂戴!」


ハッとして、しがみついてた白い蛇がするりと降りてくる。


「あらやだわ、ごめんなさい。初めて空飛んだの、怖かった〜。

は〜、皆さんにお世話かけちゃって。」


「アジロノカミ?」


ユラギカゼが問いかけると、白い蛇がうなずいた。


「そうよ、うちのはどこかしら?」


「ほらそこの水のかたまりよ!アジロノカミ、これで全部そろったじゃない!よかったわ〜!」


「ほんとお世話になっちゃって、 あなたーーー 」


アジロノカミは微動だにしない。クルリと白蛇が見て、首を傾げる。


「うちの、なんで動かないかご存じ?」


「うちの〜奴、かかえて〜〜動かなくて〜〜困ってる。」


ハレニギノノヌシがワケを話す。白蛇が気がついて、ぺこりと頭を下げた。


「あらっ!お隣の旦那さんのヌシさんじゃなくて?

まあ、お久しぶりです。まあ、まあ、このたびは色々とお世話かけまして。」


「ど〜〜も〜〜、で〜〜、うちの〜〜出して。」


「は?」


「あのイシ〜、うちのが〜〜入ってる。」


「は?」


「どうも〜〜間違えた〜〜ようで。」



「はーーー??!!間違えた〜〜〜??」



ガーンときたアジロノハジマリノキミが、呆然と振り返る。

やがてどんどん白い身体がピンクになると、怒りでプルプル震え始めた。


1人で怖くて迎えをじっと待ってたのに、いつまで待っても迎えに来ないと思って見れば、こんな所で隣のキミをじっと大事そうに抱いているし。


「これがっ!怒らずにぃっ!!


いられるものですか〜〜!!」


ゴゴゴゴ……


空は晴れてるのに、雷の音がする。

驚いてトリノカミたちがクロさんに集まり、モコモコのクロさんが出来上がった。


「は、ハジマリノキミ、落ち着いて……」


「おのれ〜〜元はと言えば、あんな急な所に住んだあなたのせいなのに〜〜

隣のキミはあんなに愛されて〜〜うらやましかった〜

おのれ、おのれ、アジロノヤマミズノカミ〜〜

うらやましい〜うらやましい〜(ねた)ましい〜〜」


「わあっ!アジロノハジマリノキミがオソガミになっちゃうよ!」


ドロドロと白煙が立ち、恨めしそうな顔で白蛇が人型に変わって行く。

そして、水をまとった長い水の髪を結い上げた色っぽい美女へと変貌した。



「 あなたっ!! 」


キミが、空気を揺るがすほどの声で一喝した。

アジロノカミの水玉が振動でブルブル波紋を身体中に浮き上がらせる。

キミは手の中に水の弓を作り、干物のヌシを掴んで矢尻に変えて弓にかけた。


「さっさと〜〜正気に戻りなさい!!」


ヒュンッ!


ドプン


入った矢尻は中でクルリと回り、一瞬で虹色のコイの姿に変わった。


コイはビュンビュン芋虫のような水の固まりの中を泳ぎ回り、水は渦を巻いて次第に収縮していく。


収縮して、小さくなって、小さくなって、小さくなって、



バアーーーーーンッ!!



「わあっ!」


いきなりアジロノカミの身体が弾け飛び、周りにいた動物たちはびしょ濡れになった。


「イシが!」


弾みで中にあった青く光るイシがぴょーんと飛び上がる。


ひゅううん……ドカッ!


中にあったイシは空に高く舞い上がり、そして落ちると半分に割れてしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ