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カワノナリタチ  作者: LLX
1/23

1、ユラギカゼ

僕は、風。

みんな、僕をユラギカゼって呼んでいる。

僕はまだ生まれたばかりの風の子供で、風の中でも緩やかな風だ。

この山で生まれて、気に入った森で暮らしている。


そこには、小さな小さな泉が一つ。


ステキな泉と川のカミがいて、緩やかな流れの小さな細い川の中には川藻が揺らぎ、日の光をキラキラと反射する。

兄様の強い風にサワサワと森の木が揺らぎ、泉や川のまわりの草をサワサワ踊らせた。

川の畔に下りるとトリノカミが頭上でさえずり、ポツポツと葉の間から漏れた明かりが、地面に色んな模様を描く。

水場に集まるカミの話しを聞きながら、そっと泉の水面に触れると、いくつもの波紋が広がって揺れた。


トントトン トトトントン


「向こうでヒトがお祭りしているよ。」

「またお祭りかい? 」


トントトン トトトントン


遠くでヒトの鳴らす音に誘われて飛んで行くと、そこでは頻繁に祭りが行われている。


僕はお祭りが大好きだ。

村人が綺麗な衣を着て、ヒラヒラと踊っている。

青空の広がる下で、あちらこちらで祭りの最中だ。

空は澄み渡るほどのお天気で、夜が来ると終わって、朝が来るとまたお祭りが始まる。

キラキラと楽しそうな人間を見ると、嬉しくて地面の近くに降りて行く。


ああ、僕は、人間が好きだ。


山向こうでもお祭りが始まったらしい。

人間はお祭りが好きだ。


ドンドンドンドン、ダンダンダンダン

近くに行くと、ズシンと響く太鼓の音に心が躍る。


僕は、もっともっと人間に近い所にいるカミになろうと思った。


台風で、ふと浮かんだ話。

神の話。

1話目はプロローグのような。

書いたら更新のような感じ。

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