謁見2
「襲われれば公爵令嬢といえど傷物、むこうの瑕疵になろう、父上もサロメの事を承諾するだろう、愛しいサロメのためだ、クリスティーナには泣いてもらうしかあるまい、仮にも私の婚約者だった物が他の家臣に嫁ぐのも釈だ、どうせ傷物にするのだ、嫁げない身体にしてしまえ。私も手をかそう。今は婚約者なのだから」
静まりかえった部屋に王子の声が響き渡る
どちらに非があるか明白だ。そしてこれは間違いなく王室の醜聞。
「デュバル公爵家は随分と姑息な真似をするのね、こんなの一時の迷いよ、きっとその令嬢に唆されたのよ!!カインは悪くないわ、そんな事位で婚約破棄なんてー」
第2王妃が巻くしたてたその時
「黙りなさい!!これはデュバル公爵の温情と分からぬか?貴族の集まる夜会、元老院のあつまる会議いくらでもこの件を世間に知らしめ婚約破棄をもとめる事もできた、よもや忘れてはおるまいな、婚約の時公爵家と交わした契約を、そして交わした分けを!」
地を這うような低い王の声が響いた。
確認を取る間でもなく、とはいえ既に報告書も上がってくるであろう、カインは婚約者の義務を果たさないばかりか、先導して宰相にしてこの国の重臣の公爵家の令嬢を貶め、傷つけた。婚約破棄だけでは済まされない、ましてや相手はデュバル公爵家だ、過去王家のせいで嫁いできた妃を死に追いやってしまった、、、、それでも公爵家が反旗を翻さなかったのは致し方ない背景と十分な謝罪と賠償王家と公爵家が共に重大な瑕疵がない限り互いを害さないと盟約を結んだからに他ならない。
そもそもクロードはこの婚約に反対していた、姫君を公爵家から出すつもりはないと、だか第2王妃王妃ラウラによって無理に進められた、苦肉策で娘を
守りたい公爵が契約を持ち掛けた。
・ 一 クリスティーナに婚約者として礼を尽くす事
・ 二 互いに不貞は行わない
・ 三 学園卒業後に互いに結婚について新たに契約を結ぶ事
三を除けば契約するまでもなく当たり前の事だった、先程聞いたカインの発言だけで王家の瑕疵で婚約破棄は免れないだろう。
ぐぬぬと扇子を折れそうな程握る王妃は思い出したのだろう。
「婚約破棄は直ぐに行う、クリスティーナ嬢の名誉傷つける事なく、この件に関わる者全て調べ処分する事約束しよう。クリスティーナ嬢の受けた苦しみに対する賠償も約束しよう。カインが王太子になることは未来永劫ない」
「そんな!!些細な過ちでカインの将来を傷つけるのですか?!」
王妃の声はもはや悲鳴に近い、憎しみを込めて公爵家の2人を睨む
「ラウラよ、廃嫡にて幽閉を求められても仕方がない事をカインがしでかしたのだぞ!!そなたとて責任の一旦があるのだ!!」
「愛妾くらいなんだと言うのです!クリスティーナがカインに尽くさないからいけないのよ!だからあんな毒婦に!!どうせ結婚するのだからさっさと身体を開けば良かったのよ!!」
ラウラの言葉に怒りが燃えるデュバル公爵家の男たちの魔力が溢れて部屋が冷気と闇に包まれる、
クロードが笑顔で王に告げる
「陛下、妃殿下は話し合いができる状態ではないようです、ここはひとつ我々で場所を変えて話し合いをしましょう?」
そこには有無を言わせない迫力があった。