カイン2
賢老院のジジイに色々聞かされた!信じられない話だ、俺にもあの女にも影がついていた事、公爵家も独自に見張っていた事。つまりクリスティーナにした事全て筒抜けだった!サロメはテンプーション魅力の魔法を使っていた事。彼女と関係を持ってしまった事、それにサロメが側近のヤツらとも寝てた事!!信じられない、とんだ尻軽だ。それに亡き皇太后を祖母に持つクリスティーナの家との婚約は俺が王太子になる為に絶対的に必要だった事、そもそも兄上が王太子にならなかったのは俺がデュバル家の姫君と婚約できたからで、婚約がなければ俺が王太子になることはなかったと。
彼女は小さい頃から人見知りで、特に男性が怖いのだと。だからいつも距離を置くのか!?
誰も教えてくれなかった!!クリスティーナだって言ってくれたって良かったはずだ!!それよりなにより今更王族籍返上なんて出来るはずない。アバズレと結婚なんて死んでもごめんだ!アバズレ連れてアバズレの元に行くなんてもっと考えられん‼️
その時母上が来た、
「今なら出来るわ!クリスティーナは今記憶が混乱してる自分を10歳だと思ってるそうよ!!手篭めにしてしまいなさい!赤子の手を捻るより簡単よ。
既成事実を作って責任を取ると言うの!そうしたら少なくとも公爵になれるはずよ?平民と貴族の結婚はなかなか認められないのだからあの毒婦は忘れなさい!!今出してあげる。どうしたらいいかわかるわね?」
母上は楽しそうに笑みを浮かべている、父上にも公爵家にも、あの女にも一泡吹かせてやる!!どっちみちもう最悪なんだ!やってやる!!
指を鳴らして転移魔法を発動した。