スキル発言とレイの追放
この世界にはスキルというものが存在する。
伝説級から最上級、上級、中級、低級までの五段階に分かれており、スキルの良し悪しだけでその人の実力が決まると言っても過言ではない。
スキルは十四歳になると自然に発現するらしい。つまり、十四歳で一生のほとんどを決められてしまうということだ。
僕はレイ・アーノルド、アーノルド辺境伯家の次男坊だ。そして今日が十四歳の誕生日であり、それと同時にスキルが何か調べる日でもある。多くのの人はそうだが、スキルが何か調べる日というのはとても興奮する。それはぼくも例外でない。
「レイ、準備は出来たか」
「はい、父上」
「では出発だ」
父上に連れられて教会に向かう。何か宗教を信じているわけではないけれど、スキルが何か調べることができる場所で最も近いのは教会なのだ。
「レイにはどんなスキルが出るかな? 父さんも母さんも、そしてお前の兄さんモ魔導士系のスキルだったから、レイも魔導士かな?」
どんなスキルが発現しているのか予想しながら、10分ほど馬車に乗って進む。ようやく教会に着いた。
スキルを見ることのできる魔道具の前に立ち、十秒ほど待つ。結果が出たらしく、太った聖職者のおじさんが口を開いた。
「……低級スキル《念力》です」
その言葉を聞き、目の前が一瞬真っ暗になった。
「嘘を言うな、見せてみろ……たしかに《念力》か……そうか……」
父上の言葉を聞いて、より絶望が込み上げてくる。以前父上は『低級スキル持ちは、この家にはいらん』と言って兄さんを家から追い出したのだ。今度は僕も追い出されるのかと思うと、本当に暗い気持ちになる。
「そうか……レイ、帰るぞ」
「はい、父上」
帰りは行きと違い、馬車の速度が下がっている気がする。とても暗鬱とした気持ちで家に帰り着いた。そして同時に、この家から追い出されることを伝えられた。
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別連載『ところ変われば人変わる〜雑魚と言われて追放され、そのまま魔族の国へ放り出された魔法使いは最強の闇魔術師として魔王に仕える〜』もよろしくお願いします。