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念導戦記  作者: 水室二人
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城塞都市防衛戦 その3

「さて、状況を整理しましょう」

 1人になって考える。ガイルに伝えた情報は、色々と間違っていた。


 レベル 30

 種族 人間

 体力 D

 魔力 F

 基礎 C

 幸運 F

 ギフト 念導 レベル 5


 こちらが、今のステータスです。レベルが少し上です。体力はDのままで変化はありません。

 これが本当の表向きの数値。問題は、ギフトにありました。

 ギフトのレベルは実は5になっています。この成長速度は速すぎだと思っています。


 移動は、力場と名前を変えました。

 力場 レベル4 1000メートル以内の1000キロ以下の物、1000個を念導の対象にできる。

 命令 レベル4 1000個の命令を、念の対象物にかけることが出来る。

 強化 レベル3 念の対象物、100個まで強化できる。

 変温 レベル2 念の対象物の温度を、±10℃まで変化できる。

 念話 レベル1 念の対象物と会話できる。音声のみ


 これが現時点のギフトだった。1000個の念を管理するのは、現状無理だった。訓練しないと、上手く作動しない。命令で、常時浮かべるとか、くるくる回るとか、簡単な命令をして、経験値を稼ぐ。

 数が多いので、上昇は早い。小さな砂粒を用意して、数だけ稼いだ結果だった。

 念話は、相手がいないので上昇してしない。

 現時点で、一番有効なのは強化だった。重ねがけが出来るので、自分に常時展開している。全部使うと、逆に制御不能になるので、半分を重ねが消している。

 体力 A

 魔力 F

 基礎 A

 幸運 F

 この状態で、体力と基礎がAになってしまった。Aとは、人外といわれるレベルだったはずだ。念は魔力を無縁なので、魔力はFのままだった。幸運も、上昇しない。一度、100の状態も確認したけど、粉の場合変化があるのは種族で、魔人になってしまう。今後、れねるが上がって、重ねがけの数を増やしたらどうなるか、少し怖い。

「確認、しておくか・・・」

 色々と悩んでいても仕方ない。生き残るための準備をするには、時間がない。

「浮かべ!」

 用意しておいた盾の上に乗る。大人用の大きな盾だ。サーフボードのように上に乗り、空に浮かぶ。

 念で包めば、こういう使い方も出来る。

「この世界、対空警戒薄いよな・・・」

 今までも、何度かこうやって空を飛んだことがある。

「あれかな?」

 遠くに、移動する群れみたいな物を見つけた。望遠鏡みたいな便利な物はない。強化された状態は、当然視力も強化されるので、遠くの物がよく見える。もっとも、最初の間は苦労した。

「見た感じですと、まっすぐ王都を目指している気がしますね・・・」

 途中にある村や町を飲み込んではいますが、ある一定の範囲を超えてはいません。攻撃されれば反撃したみたいですが、それ以外の場所を攻撃した形跡はありません。

「この調子ですと、手を出さなければ良いようないがしますね」

 ただ、この都市の防衛の方針がどうなっているのかはわからない。上からの命令で、戦うように指示されていたら、攻撃する可能性もある。

「貴方なら、全部倒せるでしょ?」

 盾の隅っこに、小鳥が止まっていた。強化状態だと、接近する物の気配をだいぶ感じられるのに、まったく感じることが出来なかった。だから、この世界は油断できない。

「リリ?」

「あら、わかるのね」

 小鳥の姿が、一瞬歪んで、次の瞬間リリに変化した。

「面白いこと出来るのね」

「何をやっているのか、わかるのですか?」

「魔法ではない、何かの力で浮かんでいる事はわかるわ」

 盾の隅っこに腰をかけながら、リリが言う。

「君も、転生者なのか?」

「そうよ、前世では、殺伐の魔女と言われていたわ」

「それ、神話に出てくる魔王の一柱だよね?」

「そうなのよね。伝わっている話は大げさだけど、ほとんど間違っていないのが始末悪いわ」

「だったら、リリにならあの魔物倒せるよね?」

「私は、生まれ変わった事で、やりたいことがるの」

「?」

「もう、生き物を殺すのはうんざりなのよ。出来るなら、直接殺す事はしたくない」

「だったら、何故偵察を?」

「まだ、死にたく無いからよ。前世の最後は、酷いものよ。ああいう終わりになりたくないから、この人生は上手くやりたいの」

「直接じゃな蹴れば、間接的に殺すのか?」

「殺したくは無かったのよ・・・。ギフトって、面倒ね」

「ギフトが誰かを殺したのか・・・」

「運命を変えるギフト」

「グリーンか・・・」

 俺達の周りで、死んだのは彼だけだ。

「あのこ、あの時生きのびたらどうなっていたのかな?」

「回復スキルが正しく使えたら、色々な勢力が奪いに来ただろうな。その前にあの2組の担任に・・・」

 グリーンは攫われただろう。そのときあの場所にいた俺は、おそらく死んでいた。グリーンが死んだから、あの担任の行動が変化した。

「なるほど、俺も原因だったのか・・・」

「で?」

「で?とは?」

「貴方はどうするの?」

「私は、この世界の事を理解できていません。知らないことが多すぎて、困っています」

「私が、教えましょうか?」

「リリの前世って、神話になるぐらい過去の話ですよね?」

「情報の大切さは、理解しています。魔力と記憶が戻ってから、色々と調べていますよ」

「教えてもらえますか?」

「私を守ってくれるなら」

「良いでしょう、守って見せましょう」

 この時私は、この防衛戦の間だけ守るつもりだった。

 こうして、長い時間を一緒に過ごす事になるリリと、契約を結ぶ事になったのだった。



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