最強の異世界人の殺し方を考える 中篇
世界が、放射能に汚染されたらどうする?
人間には、どうにも出来ないと思い、恐怖した事もあります。異世界に来て、色々と不思議な力を見てきたので、これを改善できる存在がいるのではと思い、色々と探してみました。
汚染物質を取り込み、清浄な状態にする魔物がかなり存在していました。
そのことから、魔物は過去の出来事で汚染された地上を浄化する為の存在の可能性が浮かび上がりました。
リリに確認すると、リリのいた時代よりも前に、大規模な核戦争があったみたいです。
上位存在による救済があり、魔物が生まれたようです。人間は、滅びてもかまわないという判断だったみたいですが、別の上位存在の介入で、全滅をまのがれた見たいです。
どちらにしても、大規模な破壊能力持った存在は危険です。その力を持っているだけで、排除するのは危険です。出来れば、話し合って仲間に引き入れたいです。
能力は選べません。その力で排除すると、傭兵ギルド全体でマイナスです。危険な能力者は物凄く沢山います。用は使い方と、個人の問題です。
「その話を、信用しろと?」
「後ろから、襲われる可能性を考えていなかったのですか?」
運よく、その能力者と接触できました。イナリに感謝です。彼女の運には助けられてばかりです。
「俺たちは、仲間だ。それを殺した、お前を許すわけには行かない」
目の前の少年、トモヤは10代前半の子供でした。
「強奪のスキルを持った人間は、危険ではないのですか?」
「あいつは、そんな事をしない。俺の、妹だ」
「なるほど、妹にも戦わせているのですか?」
「そんな事、させるわけ無い。だから、俺が・・・」
そこで、トモヤは言葉を詰まらせる。向こうの大陸を崩壊させた事を、悔やんでいるように見える。
「そちらの事情を、詳しく聞くつもりはありません。出来れば、貴方と妹さんとは敵対したくありません」
「断ると言ったら?」
「諦めます。敵対しなければ、こちらからは何もしません」
現状、敵対関係にありますが、これ以上トモヤを相手にするのは得策ではありません。正直、この子の能力は欲しいです。あらゆる物を分解する能力。某主人公がつかう能力と同じです。再生能力とかは無いですが、あの破壊力は、脅威です。それと、分解できるのであれば、壊して欲しい物が存在しています。
「少し前なら、良かったかもしれない。だけど、もう遅い。お前たちは、俺の仲間を殺した」
「それは、仕方ありません」
この場は、これで終わりです。お互い、ここでは手を出さない約束です。大人しく引き下がりましょう。
「生きていたら、もう一度話し合いましょう」
彼の顔を見たのは、これで最後です。分かれた後、彼は殺されました。守っていたはずの妹に、後ろからばっさりとです。
妹さん、大陸を崩壊に追い込んだ兄を恨んでいました。
膨大な数の人を殺してしまった罪の意識で、狂ってしまったのです。兄が、引鉄を引いた原因は、妹である自分だと、彼女は言いました。
「私は、殺してください・・・」
強奪の加護のせいで、彼女の能力値はかなりの物になっていました。
彼女が直接殺してはいないけど、兄が殺した人との能力を、かなりの数取り入れてしまったそうです。
そこまで計算して、黒幕は動いたのでしょう。だけど、誤算もあったみたいです。
普通の人間には、絶えられない事でした。平和な次代にすごしていた子供に、大量虐殺は、耐えがたい出来事です。
兄を殺すまで、追い詰められた妹の目には、生気がありません。罪は、生きてつぐなう必要があると思っていますが、死というのが慈悲にもなるという考えもあります。
だけど、このこは一つ大きな間違いを犯しています。
「残念だけど、それは出来ない」
「何故ですか?」
「私には、前世の記憶がある。サクヤ、君の事は知っている。良く似た世界の、別人かもしれないけど、知り合いに似た子を、殺すのは抵抗があってできない」
「貴方の名前は?」
「この世界ではスティック。前世の名前はトウヤだ」
偶然なのか、先日あったトウヤは、私の前世の姿に似ていた。妹に、サクヤという子がいるのも同じだった。もっとも、私前世のサクヤは、幼い事に病気で亡くなっていた。大きくなったら、こんな感じかもしれないという、記憶の片隅に残っていた面影を、この子から感じる事ができる。
妹だったかもしれない存在が、苦しんでいるなら助けたい。
死にたいという願いを叶えるわけにはいきません。
とりあえず、こちらで保護する事にしました。
異世界というのは、なんでもありの世界だろうと、今回の事で強く思いました。
こんなことが続くとなると、心が休まりません。世の中が平和になれば、心は休まるのでしょうか?
いっそ、全てを壊してしまいたくなります。
世界を平和にしても、多分心は休まらないでしょう。力だけは、巨大になりました。
傭兵ギルドの運営は、軌道に乗ったと思います。
セブンナイトの残りは2人。不死身の存在と、謎の黒幕。
ガイル王国の行く末は暗雲立ちこめ、セントラル共和国は落ち着いているけど、微妙な存在。
ギフエナ教は、相変わらずの存在で、ギフトの情報での協力者となっています。
色々と、複雑な思いが込み上げています。
せめてもの救いは、隣で寝ているイナリです。この子がいなかったら、どうなっていたのか、怖いです。
焦りが、色々と危険な状況を作る気配があります。
こう言う時、神という存在に頼りたくなるのでしょう。でも、それは出来ません。
色々と、考えて、私は思っていた以上に思い上がっていた事に気づきました。
私は、そこまで崇高な存在ではなく、ただの人間です。出来る範囲で行動するしかない存在です。
ここに来るまでに何かの、介入があったはずです。
目を閉じながら、それについて、考えるのでした。
ゆったりペースで更新中。




