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念導戦記  作者: 水室二人
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悪が栄える事もある

「極悪人の、高利貸しに告ぐ!子供たちを解放しろ!」

 やって来たのは、自称勇者たち。この手の連中は、頻繁にやってきます。

 外見のいい子供や、主に女性目当てに、金をはらうと言って傭兵ギルドから引き取ろうとする人間が後を絶ちません。その後どうするかは、予想ができるので、本人の意思を確認して決めています。

 中には、甘言に惑わされ、道を間違えた子もいます。こちらも、非情とは思いますが、個人の意思を尊重していると言う立場なので、強制はしていません。

 もっとも、判断できない子供を引き渡す事はしていません。ただ、それが気に入らない連中が、色々と手を出してきます。

 その代表が、この自称勇者達です。

「開放して、あなた方は面倒を見れるのですか?」

「ガイル帝国の孤児院が、面倒を見る。お前のような、悪人が面倒を見るよりはましだ」

「そうなると、今までの経費を払ってもらうことになりますが?」

「もともとは、帝国の住民だ。経費も、お前が勝手にやった事。俺たちには関係ない」

「ここにいる子供たちは、帝国の子供ではありませんよ」

「そんな事は、関係ない」

 言っていることが、めちゃくちゃです。

「高利化し事態が、悪だ。子供を借金漬けにするなんて、そんな奴に子供の世話をさせるわけにはいかない!」

 自称勇者たちが、武器を構えます。

 こうなると、どちらが悪人なのでしょう?

 私自身、悪人であると自覚しています。そうでなければ、こんな事を人に命令できません。

「構え、撃てっ!」

 自称勇者の集団は、最初から囲まれていました。それに気づいていない時点で、彼らは負けています。

「ぐぎゃぁぁあ!」

 彼らは、あっという間にハリネズミなります。周囲から飛んできた矢が、命中したのです。

「ひ。卑怯だぞ・・・」

 かろうじて、死者は出ていません。そうなるように訓練をしています。子供に、武器を持たせて、戦わせる。悪人のすることです。

「大人しく帰るなら、治療してあげますよ?勿論、有料です」

「ふ、ふざけるな!頼む!」

 回復魔法の使える人間が、いるのでしょう。

「馬鹿ですか?」

 悠長に、治療などさせません。回復しようとした人目掛けて、矢が飛んでいきます。

「な、なんで?」

 矢が刺さった人物は、そう呟いて倒れます。特殊な矢なので、魔法が発動できなくなったのです。

「こうなったら、最後の手段。例の物を出せ!」

 自称勇者たちは、空間収納を持った仲間がいたみたいです。その人物が、必死になって、何かを取り出します。

「銃ですか・・・」

 彼等が取り出したのは、銃でした。アサルトライフルのようなものを、取り出して構えます。

「死にやがれっ!」

 武器を手にして、調子に乗ったのか、傷だらけなのに威勢が良かったです。

 彼等が引鉄を引いた瞬間、銃が暴発しました。その威力は恐ろしく、上半身が吹き飛んでいます。全員即死でした。

「銃に対して、何の対処もしていないと思われていたのですね・・・」

 剣と魔法の世界に、住を持ち込む。それはある意味強力な武器になります。ただ、敵側にその知識があり、対抗する準備がされた場合、それに費やした労力が無駄になります。

 実際、弓と矢だけで結果は出せます。

 今回、隠れていた子供たちに、小型の弓を使わせました。矢は、強化魔法の得意な人に強化してもらっています。木の矢ですが、鉄の矢以上の強度があります。

 魔法を研究して、加速するだけの単純な魔法を作り上げました。消費する魔力は小さく、ほとんどの人が使える魔法です。

 弓を放つ直前に、その魔法を使い、矢を加速させます。それだけで、恐ろしい威力が出せます。後は、練習して正確に当てるだけです。弓部隊の子達は、日夜訓練をしています。戦闘向きのスキルが無くても、一斉射撃でゴブリンの集団を何度も壊滅させています。

 おかげて、基礎レベルが上がり、色々と応用ができるようになっています。今回も、訓練として参加してもらいました。最初の一撃の後で、すぐに退場してもらっています。相手が、やけになって大規模な魔法を使われる恐れがあったからです。

 その後は、弓の加護を持った子が担当してました。魔法を封じる特殊な矢を使えるので、重宝しています。ちなみに、彼女は借金を返済していますが、傭兵ギルドにそのまま残っています。実際、そう言う子は大勢います。今回、生き残ったのは、魔法封じの矢を撃たれて倒れた人だけです。

 銃に対しては、このエリア全体に特殊な処置がしてあります。火薬が爆発すると、威力が上がり暴発する仕組みです。これは、何度も実験して完成したシステムです。傭兵ギルドのあるエリアは、ほとんどカバーできています。物凄く単純な魔法陣で、銃の使用を制限できました。異世界通販系のギフト、所持者はいるとおもうので、警戒しておいて世界でした。

 前世の知識、もしくは異世界転生者のやりそうな事を、色々と対策しています。

 ガイル帝国に、銃が浸透しているのなら、対処は簡単です。長距離から、火薬を爆破する魔法が完成したので、それを使用すれば武器庫が爆発して、おしまいです。ただ、これをやると使者が多すぎてリリが嫌がります。銃の拡散を防ぐ為に、一度は実行する必要があります。リリを悲しませる結果になるのは心苦しいですが、悪の道を進みましょう。

 


 不定期での更新です。

 次の更新は、遅れると思います。

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