表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
念導戦記  作者: 水室二人
39/48

補給部隊の仕事 その6

 ゲームをやっていて、不思議に思う事があります。迷宮やダンジョン、冒険者が富を求めて挑むなら、バックアップをもう少し充実させるべきでは?自己責任にもほどがあります。

 アイテムボックスや、道具袋という不思議な存在。普通に考えれば、どうやってこの量の物資を運搬しているのだろうと、疑問を感じた事もあります。

 中継地点を作り、冒険者をサポートすべきだと思うようになっています。

 実際問題、迷宮で食事やトイレどうしているの?ということを考えました。

 魔物の死骸だけでなく、冒険者や兵士の死骸も転がっています。身包みはがされ、無残な姿をさらしています。迷宮によっては、死骸を吸収したりスライムや鼠の魔物が処理してくれるそうです。

 この、王都地下迷宮は、迷宮が吸収するタイプでした。

 冒険者がここから持ってくる資源は、王都の貴重な資源です。国がバックアップして、迷宮内に補給ポイントを作っていました。

 冒険者ギルドと傭兵ギルドも、普段は対立していますがここでは協力して補給所を運営していました。 

 地下5階で、比較的大きな魔石を残す魔物がいる場所があります。軍隊蟻で、倒し方も確立されているので、人気の狩場となっていました。

 そこに用意された補給ポイントを、ガイル達が襲撃して、独占したらしいです。

「スラッシュブーメラン!」

 眼前に群がる軍隊蟻に向けて、回転する刃が襲い掛かります。

「尻尾隊、砲撃開始!」

「了解」

 イナリの分身たちが、一斉に射撃します。ネット通販で購入したアサルトライフルです。5人の分身が、一斉に軍隊蟻を蹂躙します。

 現在、前後を軍隊蟻に挟まれています。総数は100を超えているでしょう。前衛は私で、後裔がイナリ。真ん中にレーヤと精霊猫という布陣でした。前方に、集団を感知したので迎撃の準備をしていたら、後方からも出現したのです。

「追加の、スラッシュブーメラン!」

 数が多いので、追加で刃を飛ばします。触れると、あっという間に分断できるので、殲滅するのに時間は余りかかりませんでした。後方も、アサルトライフルは私が念で強化しているので、固い装甲の軍隊もあっさりと殲滅できました。

「孤立した部隊は、無事でしょうか?」

 蟻の数を見て、レーヤが不安になったみたいです。

「下の階に生存反応があります。おそらく、目的の集団でしょう」

「こいつらの魔石はどうするのじゃ?」

 魔物は、倒すと魔石を残します。

「吸収しておきましょう」

 吸収で、魔物の残骸を吸い込みます。素材としても売れるみたいなので、迷宮に吸収される前に回収します。

「前方から、魔物が接近です」

 尻尾隊の斥候からの連絡です。念話が使えるので、こういう場所では便利です。

「誰かが、誘導していますね・・・」

 力場の能力で、このフロア全体の魔物の動きは確認できます。かなりの数の軍隊蟻が、こちらに向かっています。

「魔物を誘導するギフトなんて、ありますか?」

「あっても、不思議ではないのじゃ。ギフトとスキルは、未知の領域が広すぎるのじゃ」

 確かに、ギフトとスキルは謎が多いです。傾国のイナリですが、同じ傾国のギフト持ちにもあったことがあるそうです。スキルの中身は、似ている部分もあれば、違う能力もあったそうです。

「ただ、傾国と言うギフトの名前に偽りはなかったのじゃ」

 やり方次第で、国を傾ける能力。昔の知り合いは、魅力系が抱負で、相手を骨抜きにして、貢がせて破滅に向かわせたそうです。その人をめぐって、争いがおき、結局巻き添えになって殺されたそうです。

「スキルの罠ですか・・・」

「どこかで、身を滅ぼすスキルがあるのじゃ。それに触れると、身の破滅じゃ」

 イナリが、当時を思い出しながら語ります。長い妖怪生の間に、自滅した人をかなり見たそうです。

「レーヤも、気をつけるのじゃよ」

 とイナリ派忠告しますが、レーヤは危険の塊です。権力者が欲しがる、ネット通販があります。乗り物召喚も、解る人が見れば魅力です。殺されそうになっていましたし、空間収納のレベル10は、理解していなければ好奇心に殺されます。

「親子でも、ギフトのせいで犬猿になったり、最悪殺されたりと、この世界は厳しいのじゃ」

「血縁者で、似たギフトが出る傾向とか、調べていないのですか?」

「闇のやつは、熱心に調べておったのじゃ。あいつは、心は狂っておったので、調査結果は封印されたのじゃ」

「見る事は出来ますか?」

「旦那様のお願いなら、大丈夫なのじゃ。ここにはないので、後でとりにいくのじゃ」

「よろしくお願いします。さて、お客さんがやってきましたよ」

「面倒なのじゃ」

「なら、私がやりましょう。スラッシュブーメ乱舞!」

 無数の刃が現れます。回転しながら、軍隊蟻に突入します。その後は、蹂躙です。

 それに触れた瞬間、蟻は切断されます。一切の慈悲はなく、首を切られ、絶命します。

「吸収!」

 ありの死骸は、すぐに吸収します。

「これが、原因ですか・・・」

 私達のすぐ側に、お香が落ちていました。

「いつの間に?」

「多分、地面に埋めてあったのでしょう」

 状態から、そう推測します。

「土魔法使いですか?」

「おそらく、その系統のギフトかスキルでしょう。足音で、こちらの位置を把握していた可能性もあります」

 確認しますと、各地に魔物寄せのお香が落ちていました。順番に地面から出して、最終的にここに集まるように誘導したみたいです。

「私達を、殺すつもりですか?」

「そうかもしれません。もしかしたら、下にいる人たちが上の階に来たと思って、罠を発動させた可能性もあります」

「階段から、離れていますよ?」

「探知できる範囲が、狭い可能性もありますからね。とりあえず、下に下りてみましょう」

 軍隊蟻を排除したので、他はスムーズに移動できます。下への階段は、すぐに見つかりました。

「少し、嫌がらせをしておきましょう」

 下に降りる前に、蟻の死骸を取り出します。頭の無い、蟻の胴体。それに念をかけて命令します。

 一定の行動パターンを作成して、迷宮を徘徊させます。足音で判断しているなら、これは人の足音に感じられるように調整しました。それを、10ほど迷宮に解き放ちます。

 階段に仕掛けてあった、トラップを解除して進みます。

 降りた場所にも、トラップがありました。このフロアにいる傭兵は、トラップ使いかもしれません。それに注意しながら、私達は進むのでした。


もしよろしければ、ブックマークや評価をしてもらえると嬉しいです。

ポイントを入れてもらえると、励みになります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ