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念導戦記  作者: 水室二人
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補給部隊の仕事 その5

「任務は失敗ですか?」

「護衛対象は暗殺された」

 フォックスハンターの拠点に戻り、ヤスに任務失敗の報告をします。

「この場所で、狙撃ですか?」

「待ち伏せされていました」

 私がそう言うと、ヤスの表情が陰ります。

「そうですか・・・」

「あなた方は、どちらの支援を受けているのですか?」

「どういう意味です?」

「今回の任務、久遠帝国は成功と失敗、どちらを望んでいたのか知りたいだけです」

「我々が、情報を漏らしたとでも言うのですか?」

「状況から、怪しいと思っているだけですよ」

「ギルド長からの推薦だからといって、言って良い事と悪い事があります」

「なるほど、そちらの認識では、そう言うことでしたか・・・」

 ドラゴルが、この部隊に俺たちを派遣したのは、あいつがこの部隊を怪しんでいたかもしれません。部隊目は、イナリを呼び寄せる為のものとして、中身は普通の傭兵だと思っていました。

 この名前を見て、イナリが怒り、襲撃した場合、彼らに勝ち目はないでしょう。傭兵ギルド的に、失っても損失にならないメンバーを集めていた可能性があります。その中に、ガイルがいたのは残念です。

「任務失敗なら、報酬は無しになります」

「最初の任務は、こなしましたよ?」

「この任務の違約金と相殺されます」

「そうですか・・・」

 任務の失敗は事実なので、仕方ありません。最初任務で、相手の倉庫から物資を山のように奪っているので、痛手ではありません。

「違約金と、報酬の差額はどうなりますか?」

 これが問題です。契約書に記載してある金額ですと、報酬の方が多いです。

「当然、没収する」

「何故です?」

「任務失敗の場合、その後のケアも必要になる。そのための経費だ」

「情報の流出の疑いがあるのにですか?」

「それは関係ない。お前達の使っているあの車と言うのも没収する」

「何故です?」

「あれは、俺達のほうが有益に使える。お前たちみたいなのには必要なうぐぁぁ・・・」

 ヤスは、それ以後の言葉を二度と言えない体になってしまいました。残念です。

「この馬鹿が、申し訳ないことをしました」

 ヤスの胸は、この男の手が貫いています。

「貴方は?」

「傭兵ギルド監査部の人間です」

「それを信じろと?」

「信じてもらわなくても良いのですが、ドラゴル様の伝言があります」

「どのような?」

「監査部の報告書を読むのが遅れていた。こちらのミスで、申し訳ないとの事です」

「監査部の報告と言うのは?」

「フォックスハンターは、傭兵ギルドを裏切りました。ギルドを通さずに、ゴール王国残党軍に協力しています」

「そのような事が、出来るのですか?」

「王家の生き残りが、混ざっていました」

「ガイルですか?」

「はい」

 その事は、予想が出来ていたので、驚きはありません。

「王家の復興が目的でしょうか?」

「おそらく、そうでしょう」

「復興して、どうするつもりなんでしょうね・・・」

 滅んだ国を復興する。この状況で、王家を復興してもついてくる人は少ないともいます。貴族はほとんど滅んでいます。特に目立つ産業や資産がない場所です。

 無法地帯といっても、それを狙い周辺の国が小競り合いをしています。それらを跳ね除ける力が、ガイルにあるとは思えません。

「ギフエナ教が背後にいる可能性は?」

「それはありません。あの組織は、現在セントラル共和国と強く連携しています。敵対する可能性あるところを、援助するのは難しいでしょう」

「久遠帝国と戦う為なら、援助しませんか?」

「久遠帝国も、ギフエナ教が支援しています、逆に、反ギフエナ教勢力を集めている可能性があります」

「それなら、傭兵ギルドも強力しているのですか?」

「ガイルが、裏切らなければそうなったでしょう」

「裏切りですか?」

「独自の戦力を集めていました。

「あいつに、国と戦えるだけの戦力を集められる物ですか?」

「異世界人の勇者が仲間にいるらしいです。迷宮を攻略して、強力な魔道具を手に入れたという情報もあります」

「そこに、闇は関係していませんか?」

「それだけは無いと、ドラゴル様は言っています」

「根拠は?」

「小物過ぎるそうです。ガイルは、かなり前に疑われていましたが、能力的に普通なので除外されています。異世界人の勇者と言うのも、転生でないので、除外されました」

「この世界に、勇者はいますか?」

「ギフトで、勇者と言うのは時々いるそうです。後は、行いから勇者と呼ばれるようになった人物は結構います」

「その人たちが、闇の可能性は?」

「ゼロではないですが、低いでしょう、自分が狙われている事を知っているので、表に出るのを嫌うと、ドラゴル様は行っていました」

「貴方と、ドラゴルの関係は?」

「監査部は、ドラゴル様の直属の部署です。闇に関する情報を持つ唯一の部署でもあります」

「俺たちに、どうしてもらいたい?」

「出来れば、補給任務をもう少しお願いしたいです」

「何故?」

「一箇所、苦戦している場所があります。あそこは、出来れば抑えておきたいのです」

「何処ですか?」

「旧ギール王国、王都地下迷宮です」

「ガイル達がいるのでは?」

「そのせいで、孤立している部隊があります。こちらの計算では、物資が不足しています。補給の為の中継地を、ガイルたちに奪われた可能性が高いのです」

「報酬は?」

「引き受けてもらえますか?」

「一度、ガイルと話をしたい。運がよければ、接触できる可能性ありそうですからね」

「協力するのですか?」

「止める様に行ってみる」

「何故?」

「過去の友達が、無駄死にするのは寝覚めが悪いですからね」

「王国復興は、失敗すると?」

「成功する要素があありません。何か、奥の手があるかもしれませんが、それでも失敗するでしょう」

「その根拠は?」

「先程の任務中、王国復興派がこちらを攻撃してきました」

「それに関しては、こちらの落ち度もあるので申し訳ありません」

「あの時、私だけでなくイナリに向かって、攻撃しましたからね。王国復興派は、既に私の敵です」

 だから、彼等の望み、王国復興派させません。徹底的に、邪魔をします。流石に、皆殺しはリリの望む事ではないので止めておきますが、敵にしたことを、後悔させて上げましょう。


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