古龍との対話 後編
ガイルから預かった手紙は、傭兵ギルドの長からの手紙でした。シヴァ様と話がしたいと言う内容で、リリはそれを承諾しました。
久しぶりに会ったりリリは、歳相応の美少女になっていました。これなら、こちらが傾国といっても信じられてしまいそうです。
「イナリですか、よい名前です。幸せになりなさい」
「はいなのじゃ」
優しい笑顔で、イナリにリリは言いました。
「スティックも、この子をよろしくお願いします」
「当たり前です」
リリは、とりあえず初等学校を卒業。その後は、のんびり過ごしていたらしい。劇場の運営は、レーヤに任せて、所々アドバイスをした程度だといっています。ロセロアは改名してロゼとなり、一緒に行動していました。
「傭兵ギルドの長から、手紙が来てますよ」
「スティックが戻るのを待ってもらいました」
「知り合い?」
「前世の息子のような存在です」
「やっぱり、ドラゴルの奴生きていたのじゃ・・・」
「ドラゴル?」
「龍の赤ちゃん。リリ様が保護して、みんなで育てたのじゃ。あの頃は、可愛かったけど、リリ様が転生て、荒れて災害を起こしたのじゃ。それで、みんなで協力して、ぶん殴って、教育しなおしたお馬鹿さんなのじゃ」
イナリは、当時を懐かしそうに語ります。
「妬いておるのか?」
「嫉妬ぐらいしますよ」
「愛い奴なのじゃ」
「二人の世界を、作らないでください!」
レーヤが、文句を言うけどかまいません。
「リリ様も、何か言って下さいよ」
「イナリが幸せなら、問題ない。この調子だと、孫が生まれるのが楽しみ」
「孫って、誰のですか?」
「イナリは私の娘も同然。その子供は、私の孫」
「今は、そんな時ではないですよ。セントラル共和国と、帝国の戦争は不可避です。他にも、ギール王国の残党が動いていますし、戦乱の時代が始まりそうですよ」
レーヤの話だと、国際情勢は悪いみたいです。傭兵ギルドの長の話も、その辺でしょう。
「あの時は、悪かったと、何度も謝ったではないですか?」
ドラゴルは、すぐ側にいたみたいで、すぐににやってきました。昔の事を、イナリに攻められています。
「その割には、傭兵団にフォックスハンターなんて名前をつけおるのは何故じゃ?」
「姉さんが目覚めたと聞いたのに、何処にもいないから、その名前が広がれば接触してくると思ったんだよ」
リリが招待していたので、レジェンドラのでの会談です。
龍ですが、人に変化できるので、今は人の姿をしています。がっしりとした、歴戦の戦士と言う風格があります。
ちなみにガイルは、ここにはいません。
「お久しぶりです、母上」
「久しぶりです」
「転生が成功したなら、何故連絡をくれなかったのですか?きずいた時、流石にショックでした」
「今の私は、争いごとをしたくないのです。命を奪う事に、疲れました」
「それで、俺との接触を拒んだのですか?」
「拒んだのなら、ヒントを出しません」
「確かにあの劇は、当時を知らないとできないからな。でも、俺は劇なんか見ないから、気づけなかったじゃないですか」
ドラグルがいうには、ロゼの劇に、当時の事がふんだんに盛り込まれていたらしい。それを見た傭兵が、長に相談した。傭兵団の禁忌に関する事項が、劇で語られていたのだった。
「とにかく、奴がどこかにいる可能性が高い」
「私がいない間に、存在した可能性は?」
「5回確認した。4回は俺たちで倒した。1回は自殺。確認できなかった可能性も若干ある」
「そうですか・・・」
リリの説明では、この世界の悪害となる人物らしい。転生を繰り返し、望むギフトを獲ようとする存在。
確かに、強力なギフトを獲られるなら、転生をする人も多いでしょう。
「それをやると、狂う人間が多いんだ。次元の壁が歪んでいるから、色々と弊害も多い」
「それで、私に何を頼むつもりですか?」
「身の安全の確保です。あいつが母上の事を知ったら、襲う可能性が高い」
「安全は、確保できています」
そう言いながら、私の方を見ます。リリに、強化をかけておきました。かなりの数を重ねがけしてあります。搦め手で来ると困りますが、とりあえずは大丈夫でしょう。
「後は、傭兵ギルドへ少し協力してもらいたい」
「戦争には、参加しませんよ?」
「補給部隊の数が足りない。戦場が広範囲になりそうなんだ。母上なら、空間収納の鞄、作れると思って・・・」
「それでしたら、レーヤを使いなさい。この戦乱、裏であの子がいるのですよね?」
「間違いない。巧妙に隠れているけど、闇の奴がどこかにいる」
「スティックも、強力してください」
「私の場合、攻撃されると手加減が出来ないけど?」
「仕方ないです。この世の中、でも出来るだけと言うのは、無理なお願いですか?」
「リリが望むなら、協力しよう。私とイナリは、人の理から外れてしまった。営みには影響できないが、輸送部隊に強力するくらいは、問題ない」
「ありがとうございます。レーヤを隊長に、スティックとイナリで、お願いします」
「強力、感謝します」
ドラゴルは、ある程度の依頼をまとめていました。それらを確認して、準備します。
「急ぎの依頼が一つあります。それが終わったら、一度集まって宴会をしましょう」
私とイナリが戻った記念の宴会、それをやりたいとリリが言いました。驚きです。
「無事に、帰ってきてくださいね」
移動は、目立つけどリリの召喚した車で移動します。この世界、馬や騎獣は存在していますが、車は少ないです。過去のギフトで、呼び出した魔道具に、似たような物が存在していますが、貴重品です。
「にゃぁ」
サポートに、精霊猫が一匹同行する事になっていました。
「では、行きますか」
ハンドルを握り、出発します。
「私が、隊長なのに・・・」
後部座席で拗ねるレーヤ。前の座席に座りたかったみたいですが、隣の席はイナリのものです。
軍用ジープが、城塞都市の中を走ります。
昔より、活気が無くなり人がまばらです。城門も、監視する人がいなく、あっけなく出る事ができました。目指すは、昔の王都です。そこで、フォックスハンターと合流するのが、最初の任務。先ほどはあまり話せなかったガイルがいます。
どんな任務になるのか解りませんが、それは少し楽しみです。
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