古龍との対話 前編
「スティッ君ですか?」
「レーヤは、相変わらず小さいですね」
「スティッ君が育ちすぎ、何ですか、その凶悪なオーラは・・・」
「吾の旦那様を凶悪とは、レーヤは、死にたい?」
「え、まさかコンちゃんですか?凄く美人さんになってますぅ!」
地下迷宮で、迎えに来ていたのはレーヤでした。妖精族なので、5年過ぎてもあまり変化はありません。
「他のみんなは?」
「レジェンドラで待ってますよ」
「今は何をやっているのですか?」
「私は、リリ様のお世話をしています」
「お世話って、それだけ?」
「リリ様は、初等学校を卒業後、劇場を作って、そのオーナーをしています」
「劇場?」
「ロゼ、ロセロアさんが1人芝居を行う劇場です。作家のサットさんが、シナリオを担当していて、結構人気なんですよ」
あの時逃がしたサット君は、無事に合流できたみたいです。
「あの街、色々と治安が悪化したので、セントラル共和国の直轄地になってしまったのですよ」
麻薬が明るみになり、テトラ宰相とその一族は全員処刑されたそうです。
麻薬に群がった連中も、軒並み処刑されたそうですが、警備隊や、兵士に麻薬中毒者が多く、取り締まる側が取り締まられ、治安の低下に繋がったそうです。
ギール王国は、完全にセントラル共和国に統合され、城塞都市はニューサンと名前を変えました。
短期間で、統治者と名前が変わり、色々と混乱の最中らしいです。
劇場も、色々とトラブルが多く、レーヤは私達が戻ってきた事を喜んでいます。
「リリ様は、拠点を移動するつもりなのですよ」
「レジェンドラを飛ばすのか?」
「レジェは、スティッ君に預けるといっていました。
あの世界に送るつもりみたいです。
「移動はどうするのですか?」
「任せてください。凄いのを用意しています!」
迷宮を抜け、地上に出ると、そこにはワンボックスカーがありました。
「私のギフト、乗り物召喚で召喚しました!」
「これ、運転できるのか?」
「できません!」
即答である。
「スティッ君なら、できると思って、用意しておきました」
乗り物召喚は、謎の物を呼び寄せるスキルだと思っていたそうです。
レベル上げのために、召喚可能になるたびに召喚して、空間収納に入れておいたそうです。現在60の謎の物があるらしいです。その中に、大型で、巨大な入れ物が付いたものがあるので、それを利用して移動する予定とのこと。
「目立ちませんか?」
「今更です。私達は、街の有名人です」
劇場は、そこそこ繁盛していますが、喧嘩を売ってきた組織との抗争で、人気者になったそうです。殺しは駄目と言う、リリの指示の元、精霊猫による大規模な戦闘が行われました。
流石に、猫に負けたとは人に言えないので、傭兵に負けた事になっています。
その結果、劇場付近の治安が回復。レーヤがたまに、変なものを召喚して騒ぎを起こしているので、有名になってしまったそうです。
「変なものとは?」
「これです!」
「掘削機ですか・・・」
「働く車と言うスキルです」
「赤い車はあるのかな?」
「車と言うのですね。赤いのは沢山ありますよ」
消防車や、それに隋したものもあるみたいです。色々と、使えるかもしれません。
「燃料は?」
「燃料?」
その辺は、理解していないみたいです。説明書が在っても、読めない可能性もあります。
「とりあえず、これは収納してください」
「残念です」
言われたとおり、レーヤは車を収納します。
「とりあえず、リリのところに案内してください」
「了解」
「アジトには、他に増えた人いるのかや?」
「あれからだと、サット君だけだよ。リリ様、他の人信用していないから」
「誰か、リリ様を尋ねてはこんかったかや?」
「一度だけ、傭兵ギルドの使者が来たけど、スティッ君が戻ってくるまで、保留してる」
「やつめ、ようやく来よったか」
「コンの、知り合い?」
「おそらくな。後、今の吾はイナリじゃ、以後そう呼ぶとよいのじゃ」
「そうなの?イナリちゃんね、それにしても、凄く可愛くなったね」
「じゃろう」
「あれ?さっき旦那様って言ったよね?」
「今更気づいのじゃ」
「結婚したの、大人の階段昇ったの?」
「結婚したし、昇ったのじゃ」
「裏切り者、コンは仲間だと思っていたのに!」
「イナリじゃ。それに、何の仲間じゃと言うのじゃ?」
「ちっちゃい子仲間で、彼氏が出来るまで長い時間が必要な仲間だよ」
「お主の場合、できるかや?」
「スティッ君、2号さんはどうですか?」
「どうですかって、イナリがいるのに、他の女に手を出すわけ無いだろ?」
「何でです?ハーレムですよ?一夫多妻は当たり前のよのかななんですよ?」
「婿様は、既にハーレムの主ですよ」
尻尾の1人、よんが姿を現します。
「イナリちゃんの、妹?」
「吾の尻尾の一つじゃ。よんよ、勝手に姿を現すでない」
「婿様は、既に手一杯です。他の人はご遠慮ください」
そう言って、私の腕に絡んできます。
「尻尾って、どう見ても人ですよね?」
「色々在って、こうなったのじゃ」
「ずるいです。ずるすぎます」
レーヤと、ぎゃいぎゃい良いながら、拠点へと向かいます。
「誰かいますね・・・」
入り口に、誰かいることに気づいて、レーヤが警戒します。ちゃんと、警備ができるようになっているみたいです。
「試された・・・」
私達の意図に気づき、むくれます。誰かいる事は、最初からわかって印した。警護がいない可能性を考えて、念を飛ばしていたのですが、精霊猫達が警戒していたみたいです。入り口で、焦っている人がいます。
「ガイルか?」
「え?」
猫に道をふさがれ、途方にくれていたのは、王都で別れたままのガイルでした。無事、生延びていて嬉しいです。
「スティック?」
ガイルは、歳よりも大人びて、がっしりと鍛えられた男になっています。傭兵団に戻ったので、そこで過ごしていたのでしょう。
私の方は、10年過ぎて20歳。何ですが、成長が緩やかになっているので、年より少し若く見えるそうです。向こうからすれば、5年ぶりの再会です。
「助かった。ある人から、ここにいる人に、手紙を渡すように頼まれたんだ、俺の知り合いがいると聞いていたけど、スティックだったんだな。久しぶり、あえて嬉しいよ」
子供の頃は、孤高の男と言う感じでしたが、随分とフレンドリーになっています。
「傭兵団、フォックスハンターの副団長ガイルだ、改めてよろしく」
そう言いながら、笑うガイルは昔の面影があり、戻ってきた事を改めて実感出来ました。
もしよろしければ、ブックマークや評価をしてもらえると嬉しいです。
ポイントを入れてもらえると、励みになります。




