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念導戦記  作者: 水室二人
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狐に婿入り その1

 ギール王国が消滅して、一月が経過した。

 トテラ宰相が、暫定領主となり、セントラル共和国に編入された。主な領主は、王都で死亡しており、反対意見も無く、あっさりと編入された。周辺国は、若干反対したが、領土の一部分割により、平和的に収まった。

 私のいた城塞都市は、セントラル共和国の国境の城塞都市イーストンへと名前が変わった。トテラ宰相の息子が暫定領主となっている。

 

 現在、私達はリリの昔の仲間の世話になっています。対機械兵器専用巡洋艦レジェンドラ、過去の文明の遺産です。

 全長300メートルの巨大な船です。SFの宇宙船が、ファンタジーの世界にあるとは予想外でした。

 リリの要望で、武装は全て負印されています。居住エリアも充実していて、私とリリ、レーヤ、コン、ロセロア、精霊猫達が生活していても余裕があります。

 リリと再会したロセロアは、彼女に忠誠を近い、一緒に過ごす事にしました。死亡したことになっているので、表には出ず、レジェンドラの中でのんびり過ごしています。

 コンに対して、莫大な借金があるので、体で返済しろと言うコンのために、色々と内職をしているそうです。演説のスキルを生かした、吟遊詩人的な劇場を作り、そこで演目を上演しています。殺戮の魔女をテーマにして、彼女のマイナスイメージを変える為の劇を計画しているそうです。

 レーヤは、行くあてが無いので、結局ここに残っています。いつの間にか、リリの世話役と言う立ち位置にいて、ものぐさなリリのお世話をしています。レーヤのスキル、色々と検証したいのですが、私に問題が発生したので、手付かずになっています。


「おはようございます」

「おはよう・・・」

 目が覚めると、隣にコンがいます。金色の、ふさふさ尻尾が後ろで揺れています。

「よく眠れましたか?」

「おかげさまで、ありがとうございます」

「いえいえ、対価を払ってもらえれば、これくらいお安い御用です」

 にっこりと、良い笑顔です。

「今日の仕事は?」

「もふもふマッサージを、極上で」

「またですか?」

「あれを体験したら、二度と普通のブラッシングでは満足できん!」

 私が、コンに起こしてもらっているのは、理由があります。

 ギフトのレベルが上がり、新しいスキルを獲ました。既存のスキルのレベルも上昇して、能力が拡大しました。

 その結果、制御不能になり、暴走の危険度が増したのです。

 急激に、能力が上がるので、今までも制御に苦労していました。ここに来て、暴走したら洒落にならない事態になってしまいました。ギフトで、人を差別しないと言うこの世界の決まりごと。それでも、この危険を考えれば、処分されてもおかしくないと、私が恐れるほどです。

 恐れるあまり、不眠症になりました。いつ暴走するのか、怖いのです。寝ていても、無意識に発動したらと考えると、怖くなります。


 念導 ギフトレベル 6 

 力場 レベル5 10キロメートル以内の10トン以下の物、10000個を念導の対象にできる。

 命令 レベル5 10000の命令を、念の対象物にかけることが出来る。

 強化 レベル5 念の対象物、10000個まで強化できる。重ねがけ可 重ねるごとに、効果は増加する。

 変温 レベル3 念の対象物の温度を、±100℃まで変化できる。

 念話 レベル1 念の対象物と会話できる。音声のみ

 波動 レベルなし 念を色々な波動に返還できる。波動の種類は想像次第で無限大


 新しいスキルは、レベル制限の無い特殊形でした。ロセロアの呪い返しみたいな、特殊なスキルです。

 波動と言うのが、最初イメージできませんでしたが、前世の記憶に、凍てつく波動と言う言葉があり、それを元にイメージしてみたら、相手の魔法を打ち消す波動が照射されました。

 波動の付くもので、砲というのもあったので、イメージしてみると、強力な破壊光線が完成しました。まさか、迷宮一つを破壊できるとは、恐ろしい力を手に入れてしまいました。

 落ち込んでいた所に、コンがやってきました。ふわふわ尻尾が気になったので、触らせてもらいたくてお願いしました。

 迷宮の宝と交換で、特別を強調され、触る許可をもらい、もふもふと癒されました。この時に、幸せな波動が生まれていたらしく、極上の癒し効果を相手に与えたらしいです。

 もふもふマッサージと名付けられた波動は、コンのお気に入りとなっています。

 彼女の能力に、相手を眠らすと言うのがあります。これを使い、毎晩眠りに尽きます。これで眠っている間は、癒しの効果もあり、不安な気持ちになる事も無く、ぐっすりと眠れます。現在、私以外も、リリが愛用しています。

 おかげで、少し余裕ができ、ギフトの訓練に集中できます。

 コンの封印に、ギフトを封じてもらう事も考えましたが、もふもふマッサージのために、それはできないと断られました。その代わり、私の特訓に付き合ってもらっています。

 

 崩壊した建物の修理が終わり、初等学校が再開されました。

 王都に行っていた生徒は、全員戻ってきました。セントラルに連れ去られた生徒もいましたが、国が統一されたので、戻って来られたらしいです。あの時、王城付近にいたら、岩の落下で起きた破壊に巻き込まれて、大怪我もしくは死亡していたでしょう。人攫いに感謝するのは変ですが、おかげで助かったのは皮肉です。

 ガイルは、怪我は完治したみたいですが、傭兵ギルドの方針で国から去りました。独裁者を排除した、セントラルのやり方は、ギフトで差別しないと言う用兵ギルドの掟に反しています。

 今回は証拠もあるので、反論できません。この周辺のくにから、一斉に傭兵団が去りました。その穴埋めで、冒険ギルドに仕事が殺到している状態だそうです。

 初等学校は、現場教育として、迷宮探索や、魔物の駆除を行います。傭兵団が消えた影響はここにもあり、生徒の現場実習が増えました。その結果、命を落とす生徒も存在します。

 色々と、不安定な状況になっているのかもしれません。

もしよろしければ、ブックマークや評価をしてもらえると嬉しいです。

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