理由編
~あらすじ~ 前回、強引に検察局に入った孤晴の弟の遙申。
取り敢えず遙申は、理由をきいてみることに。
姉弟愛編と同じように、ちょっくらと愛が垣間見えちゃいます。
検察局内部 4階管理室
遙申「で、何があったんですか?」
孤晴「ちょっと待って。涙がちょちょ切れる~。」
と言って、ハンカチで涙を拭う姉さん。可愛い。((
孤晴「えーとね、誰かとは言わないけど、私の友達に検察局に居たの。
でさ、ほんっとに優秀でさ、裁判の時は、物凄く苦しめられるぐらい
捜査をしててさ、隙がなかったんだよね。私はその人に非常にお世話に
なってたんだ~。でも、ある日局長に呼び出されて、クビって言われたらしく、
検事を辞めさせられたんだって。クビにされた理由を聞くとさ、
【思ってたより優秀な人材じゃ無かったからクビ】っていう理由で
辞めさせられたらしく、私にすがってきたんだ。私さ、ただ慰めること
しかできなくって・・・。
で、しばらくした日に私は局長に尋問しに言ったんだけど、
どうでもいいって言われた。
で、次の日そのことを話そうと家に行ったら、自害してた・・・。
首吊り自殺。そのとき、ほんっとに怒りを覚えたよ・・・。友達でも
局長にでもなく自分に怒りの矛先は向いたよ。もっと友達の傍に居て
話を聞いてあげればよかったって。・・・裁判に持ち越すとなると、
証拠や動機が足りないし、万が一裁判となっても、取り調べを行っている
うちに自分が死ぬ可能性がある。どうもあの人は揺さぶれない。だから
私は強引な手段に出たけど、それでもダメだった。」
と、無表情で話した姉さん。心のなかでは、複雑なんだろう。
同所 8階局長室
検察局長「なに?4階に居たのか。俺は下の階には行けないから
コイラ検事に頼るしかないが。」
コイラ「えぇ。あと、奴が逃亡しても困るので、防火シャッターと、
落石封じハッチを起動させたいのですが。」
検察局長「我々が脱出できるのなら、起動させろ。」
コイラ「承知致しました。」ピッ
ウィィィィィィィン
壮大な音がしたので、映像を見てみると・・・。
孤晴「防火シャッター、ハッチ・・・。どちらも1階に行けないように
なってる・・・。ごめん!遙申!」
遙申「いえいえ。大丈夫大丈夫。で、僕はなにすればいいですか?」
孤晴「遙申はなにもしなくていい!」
遙申「だぁめ。姉さんは局長を揺さぶりたいんですよね?」
孤晴「そうだけどぉ・・・。」
遙申「だったら、僕が言った方が効果的ではないですか?」
孤晴「署長だもんね。・・・いっ・・・。でもそうしたら共犯扱い
されちゃうよ~。」
姉さんの声が震えていた。自分が犯罪を犯しておきながらでも、
僕のこと率先してくれる姉さん。こんなことになってしまったのは、
気付けなかった僕のせいでもある。
遙申「じゃあ姉さん、しっかり僕のこと庇ってくれるんですよね?」
孤晴「もちろん。姉が弟を守るのは当たり前。」
遙申「・・・、なら弟が姉を助けるのもいいですよね?」
孤晴「むー。分かった。」
そろそろ終盤に入ります。




