夏至
彼らは太陽の光の下、砂丘をゆく。
《もう、現存していないと思います》
彼、黄砂は遥に言う。
「でも、まだ、あるかも」
遥は必死で砂の地面を見つめる。
すぐ隣では、銀河が呆れていた。
彼らは手伝いで、黄砂たちの乗ってきたスペース・シャトルの破片の残りがないかどうかを確認していた。
防衛省の職員の方々も、遠くにちらほらと見えていた。
――暑い。8月はどうなる?
銀河は、真上の太陽に手をかざす。
「あ!!」
油断していた銀河は、その声に驚いてそちらを見る。遥が黄砂たちの方を向いて何かを話していた。
それは……。
「どうして、あの時、空から落ちて来たの?」
《あの時?》
黄砂がきょとんとする。
「私が狙撃された後。二人が落下して来たって、銀河が教えてくれたの」
《えぇ、確かにそうですね》
〈飛ばされたんだ〉
素浦が話へ入ってきた。
「ん?」
《そうでしたね》
黄砂が、素浦の言葉に相槌をうつ。そして、そのまま続ける。
《私たちは、高速風路でのクラッシュのあと、その高速風路の暴風に流されて、最終的に空高くへと吹き上げられました》
「それって」
遥は思わず声を出す。遥と、そして、それを聞いていた銀河には、心当たりがあった。
――最終区域。
高速風路は、基本、最終ICを過ぎると、暴風をせき止めるために、その暴風を上空へと逃がしている。そこを最終区域と呼び、航空・滑空が禁止されているのだ。
《そうだったんですか》
説明を聞いた黄砂は、やわらかく微笑んだ。
〈不思議なシステム……〉
素浦の方は、唖然としていた。
――そのまま、落ちてきたのかぁー……。
遥は納得した。




