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梨花と祖母と大人の顔色
梨花は実の祖母が嫌いだった。
祖母の家へ遊びに行くのがとても嫌だった。
姉の愛菜には怒らないのに
梨花は何をしても怒られた。
自分で何故怒られているのか
理由がわからなかった。
とにかく祖母の機嫌を損ねないように
お人形のように大人しくしていた。
祖母の友人には愛想よくしていた。
愛想よくしすぎると私には懐かないと
ポロっと祖母が言うので、
調節が難しかった。
とにかく梨花は怒られたくない、
殴られたくない、必死だった。
小学生に上がる前から小学生らしさが
無くなった。大人の顔色を見て
いつも何かに怯えていた幼少期。