高いお家編1
くるくるくるくる……
海辺の近く。川の流れに合わせて風車が、回ってる。日光を反射して、キラキラ川が光っている。
そこには、風車と、そこにそびえ立つ空まで続く高い高いお家がある。
世界の人口の大半はヒューマン、残りの種族は3種族に別れ存在する。
謎の高いお家は世界的に有名で誰が何のために建てたのか謎が多い。
そのミステリィハウスに各国各種族が集まり謎に迫るべく入って行くのだが住み着いたモンスター達の影響で最上階まで探索できたものはいない。
そこに人が集まり店ができ。村ができ。町になった。
町の名は「ミティス」ミステリィハウスが縮まったんでは無いか?と言われているが定かでは無い。
さて。ここに辿り着く2人の影
「はっはっはっ妹よ!やっと着いたぞ目的地〜」
「本当ですわお兄様♪」
「我が故郷よりすぐ近くだと聞いていたが着いたのは
二ヶ月後の今日、お兄様が一緒にいてくれなかったら私もう、この世にいなかったかもしれません」
「はっはっはっそうだろう?そうだろうとも」
この兄妹少しバカなようである。
ヒューマン族の兄妹であるようだが兄の頭には森からずっとだろうか?兎の特異点モンスター「ピョンミ」にかじられたまま両頬にまで血がツーっと流れている。
気づいているのか気づかぬ振りをしているのか
妹はいわゆるブラコンでそんな兄の状況さえもキラキラ目を輝かしほっこり顏で見つめている。
ガジガジ
「妹よ。あの高くそびえる家こそがお宝満載ハウスというわけだ。我らが攻略しお宝たんまりいただこう」
ガジガジ
「はい!お兄様」
ガジガジ
「うむ。それではまず宿を探そうでは無いか拠点を作らんとな」
ガジガジ
「はい!わたくしにお任せください」
ガジガジ
兄の方は大丈夫なのだろうか?ずっとガジガジとかじられているがまだ笑っている…
妹の方は兄に返事をした後、門から入り近くの町の人に声をかける。
「ねぇ。そこのあなた?
あなた、宿の場所ご存知無いこと?」
「あぁそれなら、案内所に聞いた方がええですよネェさん。すぐそこのあの小屋でさぁ」
妹は礼も言わずに小屋の方へ向かう。
もう会話の最中ずっと相手を蔑んだ目で見ている妹。
兄以外に興味は無いようだ。
小屋にたどり着く前に人にドンッとぶつかるが謝ろうともしない。それは当然の結果で……
『おい!こぅぅぅぅぅぅぅぅぅらぁぁぁぁ!!!!』
『ねぃ!ねぃ!ちゃゃゃゃゃゃゃゃやゃんんん!!』
振り返る妹。ずい っと目の前に立ちはだかる
竜型ビースト族のオス。
ビースト族には幾つか系統があるのだがこのオスは竜型で夜行性の眼をお持ちの様子で三角のちびっこいそれ意味あるの?ってサングラスをお召しである。
首は長く麒麟のようなたてがみは頭の部分でリーゼント。アロハシャツに短パン。
わかりやすさ全開の格好である。
しかし。
「あら?何ですの?そんなに大きな声で。
口が高くにあるから聞こえない思われたのかしら?」
動じない。
『な。な。な。なんをわりいいいいいいいいいいいぃやぁぁぁぁ!!!』
「あら?またまた大きなお声で?要件は何ですの?
わたくし、お兄様を待たせておりますので宿を早く探さなければ行けないんですのよ?」
動じない。
っというより動じる理由を持ち合わせていないようだ
妹からすれば逆に苛立ちが生まれ始める。
早く案内所に行きたい願望がもう顔全体に現れている
限界の様子でアロハ竜は顔を真っ赤に
『ええ加減にせえよ!わりャーーーーーーーー』
拳を振り上げる。
『や・・・やめろ〜!!』
町の皆がざわつき始め2人のやりとりを遠目で見ている中、か細いが勇気ある声が2人の間に響く。
「『ん?』」
2人同時に声の方を向くと少年がそこにぽつりと立っている。目線は向けてはいないが他のガヤ達よりは一歩前に出て歯を食いしばり目を閉じて身体を(ギュウウ)っと強張らせ立っている。
『なんや?坊主わりゃあ?なんが用あるんかい?』
『あ?』
ヒィっと「ギュウウ」が「むぎゆゅう」っと更に強張る。
『………。! 坊主、ワレ昨日の【宿屋】の倅やないか?』
『ただの【宿屋】の倅が何イキッとんじゃゃわりゃゃ!』
が言いたかった様子のアロハ竜。しかしそれは叶わず
『……。 ! 坊主、ワレ昨日の【宿………?』
この時点で既にぶつかってきた生意気な小娘も宿屋の倅も目の前に居ない。1人周りの眺める中ガンをつけたそうでつけれない格好で取り残される。
『ミステリィハウス』のテッペンに届きそうな響く声
『『あ。あ。あのおおおおおおお!こむしゅめえええあえええええあえええええええああえ!!!!』』
…………………………笑える……………………………