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雪女と私のこたつ戦争

タンタンコロリン

身長 10㎝くらい?

体重 何十グラムとかじゃない?


どうも。

座敷わらしの幸です。

ただいま雪女の幸さんと暮らしているのですが、まだ一日も経っていないのに喧嘩真っ最中です。

なぜかといえば。


「幸! ちゃんとお布団に寝てください!」

「嫌だ! 私はこのおこたのなかで寝るの!」

「そんなところで寝たらぽんぽん冷やします!」

「雪女はもとから冷えてるからいいのー!」

「いいわけありません! はやくこっちにきてください!」

「いーやーなーのー!」


と、まあこのようにお布団で寝てくれない幸さんとこたつで温まりたいだけの私の抗争が続いているのでした。


「どうしてもお布団にいってくれないのですか?」

「ι(`ロ´)ノ」


徹底的に抗うつもりらしいです。


「では、こたつをしまいます」

「(´・ω・`)」

「お布団で寝てもらうためです」

「(。´Д⊂)」

「……いい加減にその絵文字のフリップやめて喋りなさい!」


幸は絵文字を画用紙に描いて会話に応戦するという裏技を披露してくれました。

ではなく!


「いいたいことがあるならいってください!」

「この子が寒がるかもって……。 こたつのなかにいれたら大丈夫かなって」


そういって幸は小さい柿を差し出す。


「……なんですか? これ?」


すると、その柿はひとりでに動く。

目らしきものがこちら側を向く。


「!?」

「初めまして。 タンタンコロリンの柿野かきや渋伊しぶいと申します。 こちらのお嬢さんに弱っているところ拾っていただきました。 これからよろしくおねがいします」

「は、はぁ。 ご丁寧にどうも」


ではなく!


「よろしくおねがいしますって、あなたもここに住むつもりですか!?」

「そうですが?」


なにか? みたいな顔されましても……。


「幸、いいでしょー? おねがーい」


まるでペットをせがむ子供みたいですね。

ですが答えは。


「だめです!」

「なんでー?」

「そうですよー! なんで私はここに住んじゃいけないのですか!」

「私は誰も住むことなんて認めてないです! 幸にもちゃんと出ていってもらおうと思ってました」

「なんでー?」

「なんでー?」

「なんでって、だってここは私の家じゃないし、だからといって私はここを離れちゃいけないし」


それに、おばあちゃんのにおいも残っているし。


「いまここの持ち主の人は?」

「いなかったと思います」

「じゃ、私たちはただ雨宿りしてるってことで」

「雨宿り?」

「そうそう。 私たちは見えない雨がやむのを待つ、ただの鳥なんです」


鳥って、あなた柿でしょ? とは言えませんでした。


「雨がやむまで、私たちはここで雨宿りしてるってことで!」


話を強引にまとめまれました。

そして、結局こたつはとられました。

たまたま読んでいただいたのであれば有難うございます。

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