私とあなた
座敷わらし
名前 幸
身長 146㎝
体重 45㎏
雪女
名前 幸
身長 138㎝
体重 37㎏
私の大好きなおばあちゃんが、死にました。
理由は、私がお家を出たから。
この家には元々おばあちゃんしか住んでいなかったから、今は私しかいません。
私は、誰も幸せにできない座敷わらしです。
今日も広いお家を歩きます。
いつもはトトトと音を立てながら歩くのですが、今は私に気づいてほしい人もいないので、普通に歩きます。
そうこうしていると、お家を一周してしまいました。
すると、玄関に知らない靴が三足あります。
誰か入ってきたのでしょうか?
耳を澄ませてみましょう。
「なあ、ここ本当にでるのかよ?」
「あぁ、ここのばあさんがよく、座敷わらしが出るって言ってたんだ」
「そのばあさんは?」
「結構前に死んだ。ばあさんの息子たちもこの屋敷は気味悪いからって放ってんだと」
どうやら、肝試しにきたみたいですね。
少しだけ脅かせてみましょう。
トトト。
「!?」
「なんだっ! おい! だれかいんのか!?」
ギィ。
「扉が勝手に!?」
「おいおい、本当に出んのかよ……!」
バタン!
「うわぁ!?」
「やってられっか!!」
「行こうぜ!?」
ふふふ。
どうやら出ていったみたいですね。
私は居間のなかに入ります。
なぜだか背筋が凍るように寒くなりました。
私はこたつに足をいれます。
「今日はよく冷えますね……」
すると、足にヒヤリとするものがあたりました。
なんでしょう?
こたつをめくってみると、そこには。
「……!」
声が出ませんでした。
そこにいたのは、雪女だったのです。
「んん……。うぅん?」
雪女が目を覚ましました。
あ、おはようございます。
ではなく!
「あなた! ここでなにしてるのですか!!」
「!?……」
叫ばれてビックリしたのでしょうか、頭をこたつにぶつけました。
「ひたい」
「大丈夫ですか?」
ずるずると、こたつのなかから出てきます。
外見だけ見たら、10歳くらいでしょうか。
「うーん。あなたが座敷わらしですか?」
「そうですけど……」
「あ、初めまして。私は雪女の幸と申します」
「ご丁寧にどうも。私は座敷わらしの…」
そういえば私には名前がありませんでした。
おばあちゃんはずっと私のことを幸と呼んでくれました。
「座敷わらしの幸と申します」
「これからよろしくおねがいします」
「ん?」
いま、この子なんていいました?
「私、今日からここに住みます!」
こうして、私と雪女の生活が始まったのです。
ではなく!
うーむ、これも連載ものなんですが、おそくなりますね(確信)
たまたま読んでいただいたのであれば有難うございます。