3、義父と私。
あれは中学2年の秋。
「いやっ!ねえ、やめてったら!」
はだけたシャツの上から綺麗な手が胸をいやらしく動く。
おじさんの息づかいが荒くなるのが分かる。
「おじ、さ…ん!いい…っ!いい加減に、して…っ」
堪えきれず喘いでしまった私におじさんは口角を上げた。
「夏希ちゃんは敦子に似ていやらしい身体してるね。
中学生のクセして、胸でかすぎ。
クラスの男子も絶対お前の胸、揉みたいって思ってるよ。
毎日お前のアンアン喘ぐ姿想像してんだろうな」
必死で声を抑えてひたすら事が終わるのを待つ。
敦子――お母さんの再婚相手は私と干支一回り違う、お母さんより7歳年下の男。
お父さんとお母さんは私が小学3年の時に離婚した。
私はお父さんが大好きだった。
悪いのは浮気したお母さんなのに、両親は離婚して、私達兄弟は不幸な事にお母さんに連れて行かれた。
お母さんの男遊びは離婚をしても変わりはなかった。
今でもよく家に愛人を連れてくる。
それを再婚相手のおじさんが何も言わないのは、彼も同じ事をしているから。
要するに、似たもの同士なのだった。
おじさんは有名化粧メーカーの跡取りで、だからたくさんの家を持っている。
そこに、お手伝いさんとして愛人を住まわせていた。
私からしたらお金と欲にまみれた汚らしい男に他ならなかった。
「お父さん」は今でもお父さんだけだし、外に女を囲んでる男なんて死んでも「お父さん」とは呼びたくなかった。
お母さんが家を空けているときにおじさんが帰ってくると、中学生の私を相手に性欲を解消しようとした。
私が「お父さん」と呼ばないのも原因だとは思う、けど、あんな男をお父さんと認める訳がなかった。