表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『歴史オタクの俺、魂を具現化して異世界を生き抜く』  作者: 龍海


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/25

第22話「初めての共同依頼」



 パーティ登録を終え、訓練を重ねて三日目。


 俺とアリアは再びギルドの依頼掲示板の前に立っていた。


「さて……そろそろ実績づくり、始めるわよ」


「待ってましたって感じだな」


 訓練だけじゃ強くはなれても、ランクは上がらない。


 Dランクになるためには、とにかく依頼をこなすしかないのだ。



 掲示板にはEランク向けの依頼がずらりと並んでいる。

•薬草採取

•荷物の護衛

•近郊の魔物駆除

•雑用系の仕事


 正直、どれも地味だ。


 でも——


「こういうのを地道にやるのが近道よ」


 アリアが真面目な顔で言う。


「分かってるよ。焦ってもしょうがないもんな」



 俺たちはいくつかの依頼を見比べ、最終的に一枚の紙を選んだ。



《近郊ゴブリン駆除・3体》

•報酬:銅貨15枚

•難易度:E

•条件:パーティ推奨



「これならちょうどいいわね」


「初めての共同依頼にはぴったりだな」


 いきなり強い魔物は論外。


 まずは“安全に確実に成功できる仕事”からだ。



 受付で依頼を受注すると、俺たちはそのまま街の外へ向かった。



「レイ、役割は分かってるわね?」


「ああ。俺が前衛で注意を引く。アリアは後方支援」


「その通り」


 迷宮の時とは違う。


 今回はちゃんと準備もできているし、心の余裕もある。



 森に入ってしばらく歩くと、さっそく気配があった。


「……いたわね」


 茂みの向こうに見えるのは、小柄な緑色の魔物。


 ゴブリンが三体。



「よし、いくぞ」


 俺は購入したばかりの片手剣を構える。


 もう一本の“名前のない剣”は背中に。


 今日はまず、普通の装備で戦うつもりだった。



「支援かけるわ」


 アリアの詠唱が始まり、体がふっと軽くなる。


「身体強化。持続時間は三分よ」


「十分すぎる!」



 俺は一気に踏み込んだ。


 訓練の成果は確かに出ていた。


 以前より体が動く。

 剣の振りも安定している。



「ギギッ!」


 ゴブリンが棍棒を振り下ろす。


 それを冷静に受け流し、横薙ぎに一閃。


 手応えと同時に一体目が崩れ落ちた。



「いい調子よ!」


 アリアの声が飛ぶ。


 残り二体。


 焦らず、一歩ずつ確実に。



 支援魔法のおかげで視界も広い。


 連携の感覚が、ほんの少しずつ掴めてくる。



 数分後。


 俺たちは無事に依頼を完了させていた。



「……終わったな」


「ええ。完璧な初仕事ね」


 怪我もなし。

 失敗もなし。


 ただの小さな成功。


 でも——


「こういうのを積み重ねていくのよ」


 アリアが満足そうに微笑んだ。



 街へ戻り、ギルドで報告を済ませる。


「依頼達成、おめでとうございます」


 受付嬢から銅貨15枚を受け取り、俺は財布にしまった。



 大金じゃない。


 派手な功績でもない。


 それでも——



「一歩前進、だな」


「そうね。確実にね」



 Dランクまでの道のりはまだ遠い。


 けれど今日、俺たちは確かに前に進んだ。



 帰り道、背中の“名前のない剣”が、ほんの少しだけ温かく感じた気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ