通学中の出来事
「え〜と、この道を右に曲がって、そして次の通りをまた右に曲がるのか。」
煉はこれからもこの道を使って学校に通うことになるのでなるべく学校までの道を覚えて置きたいと思い普段よりもゆっくりめで歩いている。時間内に学校へ行くというのを諦めたためできることであった。そのため視界には全く人が映らないのである。
「へ〜日本とは違って民家みたいなのは全然ないな。その代わりにマンションとかビルがたくさんあるな。東京とかこんな感じなんかね。次の通りを左に曲がるのねなるほど。」
道は整備されているが思ったよりも入り組んだりしているのであった。
それから数分歩いていたら眼の前に人が見えたのであった。黒い服を着ていて結構長身の男が立っていた。漆黒の男という言葉が似合いそうな感じの風貌であった。今の時間帯的に考えたら学校などの関係者ではないということが予測される。
「なにか困り事でもあったのかね?」
漆黒の男はいきなり煉に話かけてきたのであった。
煉は一旦足を止めた。
「あ、いや、そんなに困っていません。大丈夫です。」
と、とりあえず答えた。
男はなにかを確かめるように煉の顔を見ていた。
「そうか、ならいいんだが。」
煉はこの男からただならぬ雰囲気を感じたのであった。別に煉は武道に優れているわけでもない。でも、そんな煉でもただならぬ雰囲気を感じ取れるぐらい異質な感じの男であった。煉は早足でその男から離れたのであった。
「なんだあれ、ちょっと怖えな。というかあの目、まるで闇よりも暗く黒より暗いと言ってもいいレベルの感じだったぞ。何だったんだあれ。」
それと俺の制服は多分このあたりにはないはずのデザインのはずだ。なのに何も言及してこなかったということはここらへんの住人でもなさそうだ。じゃああれはいったい何だったんだ。
といろいろと考えながらようやく染岡高等学校が見えてきたのであった。
「うし、ついた。え〜時刻は9時20分遅刻だな。まっしゃあない。さて、これが俺の異世界ライフの始まりってことでいっか。」




