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灰島カオル

アリスの連続”上書き”でひとまず一旦落ち着けそうな場所についた。


「はぁっはぁっ。あいつ、なんなんだ、アリス。」


「カオルはお主と同じ学生だ。」


「は?」


「お主と同じ年齢のということだけだ。ただあやつは学校に一度も通っておらんのだ。」


「は?それってどういうことだ?」


「あやつの能力を見ただろ。」


「氷を出す能力、だろ?」

アリスの声が低く響く。


「そんなちゃちい能力ではない。あやつは、あらゆる”力”を操作できるのだ。」


「力・・って、重力とか運動エネルギーの、あの“力”?」


「そうだ、今さっきの氷の攻撃は空気中の分子の動きを止めて作り出したものだ。」


「はぁ、そりゃ人間技じゃねぇわ。。」


アリスの瞳が一瞬、曇る。

「そう、あやつの能力は強力すぎたのだ。あやつはあらゆる研究機関に興味をしめしされて、能力の発展実験などをさせられたのだ。」

「中には非人道的実験も多くあったのだ。そのせいでやつは・・・。今はこれはよしておこう。」


煉は絶句した。

「マジかよ。能力が強いってだけで、そんな。」


「そして、ある実験であやつの能力が固有能力から権能に昇格してしまったのだ。」


「ちょ権能ってなんだよ。」


「妾の能力とおなじ位のレベルだ。」


「は?それって理不尽的に強えってことじゃねえか。」


「そうなのだ、だからまずいのだ。」

その瞬間、背後から床が割れる音とは思えない轟音がなり隠れていた場所に亀裂が向かっているのがわかった。


「逃げるぞ。」

再び煉とアリスあ走った。


「ッチ、本当にめんどくせェ。」

カオルから苛立ちの声が聞こえてた。


「”あ”」

たった一音。それだけで、世界が爆ぜた。コンクリートの床が割れ、あらゆるものが吹き飛んだ。これは、カオルが空気の振動を大幅に強めることによって起こったことだ。

煉とアリスの身体は、音の奔流に叩きつけられ、床を転がった。


「がっ・・ああっ・・!」

煉は耳を押さえた。痛い痛い痛い痛い。


「ッ。やべぇ。耳鳴りが。」

さっきの爆音を聞いてしまったため、耳鳴りが止まらない。


視界に映るカオルは氷の槍を生成している。そしてこちらに放った。


しかし氷の槍は目視できぬまま煉の腕をかすった。冷たいというか熱い。

かすった氷の槍が床に刺さった時、氷は爆発した。いや、正確に言えば無理やり圧縮して凍らせていたためその空気が一気に解放され起こったことだ。その空気に押されて煉は壁に打ち付けられた。


「っ」

痛い、痛い、ほんとに痛い。


「大丈夫か。煉。」

反対側に飛ばされていた、アリスが駆け寄ってきた。


「そろそろなんとかしないと死んじまうよ。俺。」


「ああ、そうだな。」

圧倒的絶望がこの場を支配していた。



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