依頼
「お兄ちゃん、いってきま〜す。」
「ああ、いってらっしゃい、ミカサ。」
灰島カオルは笑顔で手を振り返す。朝日が差し込む窓辺で、その笑顔はひどく穏やかだった。
そして、数分後。
電話が鳴った。
「灰島カオル、君に依頼をしたい。」
「あア?なンだ?」
妹がいたときとは口調が全然異なっている。
「君に霧島煉という者をを襲撃してほしい。位置情報はこちらで送る。」
「それッて、つまり、殺せッてかァ?」
「いや、そこまではしなくてよいが。ひとまず病院送りでかまわない。」
「了ォ解。」
依頼主からの電話が切れた。
「ッケ。」
カオルは随分不満そうであった。
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煉たちは、大型商業施設にいた。
「いや〜、やっぱり都会と言ったらこういう場所に行きたいよな。」
「妾には、お主のその気持がよくわからないのだが。」
「っまお子様にはわからいことさ。」
「妾から言わせてもらうと、お主は赤ん坊ぐらだがな。」
「いやいや、”今の”お前はまだお子様だろ。」
「うっ、・・。」
しかし煉はこの大型商業施設の内部構造を知らないため、自分が興味のある場所がどこにあるのかわからないため、適当に歩いているだけだった。
「いや〜こういう場所ってほんといいよな。」
と同じことを二回言うのであった。
「・・・?」
「どうしたんだ、アリス。なにか行きたい場所でもあるのかね。」
「ッ、逃げるぞ。」
「え?なにをいって 」
次の瞬間天井が轟音とともに壊れた。
「はい?」
と間の抜けた声が思わず出てしまった。
それと同時に視界には宙に浮いている男が目に入った。
「アリス、あれってもしかして。
「本当にまずい。」
と煉が話している声を遮ってアリスが言った。
「あやつは、灰島カオルだ。」
「え?誰?」
「後で言う、今は逃げるぞ。」
そう言って、アリスが煉の手を引いて走り出した瞬間カオルの周りに3本の氷の槍ができていた。
「っちょ、アリスあいつ本当に、誰だよ。」
といった瞬間、氷の槍が煉に向かって爆速で迫ってきた。
「あっ。」
と煉が終わったと思った時なぜか避けれていた。
「え?なぜ?」
「妾が単純に5歩先の到着地点に”上書き”しただけだ。」
「次が来るぞ。」
次の瞬間十本ぐらいの氷の槍が、再びカオルの周囲にできていた。
「っちょっと待て、あんなの避けれないって。」
十本の氷の槍が煉たちに迫ってきた。煉もうまい感じに避けたが槍は地面に刺さらなかった。槍は空中をターンしてって再び煉のとこに向かってきた。
「っ」
再びアリスの”上書き”のお陰で避けることができた。
「はぁっ!? 誘導ミサイルかよ!というか、アリスなんで最初からそれ使わなかった。」
「あの状況で”上書き”してもただ死ぬ未来しかなかったからだ。」
その言葉に、煉は言葉を失った。
「ッチ、めんどくせェ。」
次の瞬間作っていた20本ぐらいの槍が突如として消えた。そして地面に降り立つと、足踏みをした。周囲のコンクリート製の地面にヒビが入り、その亀裂が煉の方へ向かってきた。
またしてもアリスの”上書き”でかろうじて回避することができた。
「アリス、もっとすごい”上書き”できないのか。」
「これが妾の限界だ。」
絶望的な空気が走る。
第一区最大級の商業施設は、いまや戦場と化していた。




