下校中の出来事
校舎が崩壊した後、警備隊の誘導で生徒たちはそれぞれ帰宅させられた。異世界二日目にして、早くも人生のピンチを味わった俺は、燃えカスみたいな気分で下校していた。
「ったくもお、異世界生活2日しか立っていないのに、普通の学校生活は数カ月後にお預けってどういうことだよ。ああ、ついてねえ〜。」
と、精神的、身体的にいろいろと疲れた煉であった。
「というかいろいろあって忘れてたけど、俺の固有能力ってなんなんだ?科学、魔法が発達してもわからない能力ってそうとうすごいんじゃないか。もしかしたらチートスキルだったりして。」
と希望が見えてきたとき不穏な気配がした。
「え、あれって今日の朝にいたやつじゃねぇ。」
そう、煉の視界には確かに今日の朝に見た漆黒の男がうつっていたのであった。
「 」
煉は漆黒の男が話かけてくる前に、さっさとこの場を去ろうと走り抜けようとした。
しかし、
「君の持っている能力について知りたくないかね?」
と今まさに知りたいことを言われてため思わず足を止めてしまった。
「っと言っても、まだわからないことだらけだ。一つ言えることは君はどうやら"傲慢"に興味を持たれたようだ。」
「っは?なに、傲慢?いったい誰なんだそいつ?」
「いきなり"傲慢"と言われてもわからないだろうが、今の君に"傲慢"が誰かと説明しても意味はない。だから、あえて言わないでおく。」
「・・・なんだよそれ。意味わかんねぇよ。説明しろよ。」
「理解を急ぐな少年。君はまだこちら側を知らないほうが良い。・・・そうだな、私が次に君の前に現れるとしたら、その能力を行使できたときだな。」
「おい、待てよ! お前いったい。」
「そうだな、最後に名乗っておこう。
男は姿勢をただし、ゆっくりと口を開いた。
「私の名前は十二使徒 生命の座 カッシウス・カノン。いや、今は超賢者 黒士ゼロと名乗ったほうが通りはいいかな。」
「は?」
次の瞬間黒士ゼロと名乗った男は眼の前からいなくなっていた。
煉はただ、呆然と立ち尽くしていた。
「何なんだよ、この世界。」




