本屋で情報収集
煉は観光本を手に取り、ページをざっとめくった。表紙にはテレス学園都市観光と書かれている。
「なになに、テレス学園都市。世界中の約七〜九割の小中高大までの学校がある。多すぎだろ。」
ページをめくる手を止めずに、煉は眉をひそめた。
「あまりにも広大なため、どこまでが学園都市なのかは不明。人口の約半分は学生。また学生は世界中から集まっている。マジかよ、国どころか世界レベルじゃねえかこれ。」
さらに読み進めていくと、中央の見開きに巨大な塔の写真が掲載されていた。
「中央にはセントラル・プラトンという塔があり、ここに住む人々のすべての情報が管理されている。この設備は超賢者アリス・プラ・ソクラティによって設計され、防御術式が幾重にも組み込まれているため、ハッキングもこの塔の破壊も不可能に等しい。というかアリス・プラ・ソクラティって誰よ? なんだこの中二病全開の名前・・・ほんとにここは異世界なんだな。」
煉は本を閉じ、ため息をついた。
「なるほど、世界中の学校が集まる都市、ね。しかも管理塔があって、超賢者とかいうのが守ってる。どこのラノベ小説だよ。」
しかし、胸の奥では妙な高揚感があった。現実離れしたこの設定のような都市が、今、自分の目の前に本当に存在しているという事実。
「……ま、いいや。せっかくだし、少し歩いてみるか。」
煉は本を棚に戻し、通りへと足を踏み出した。異世界テレス学園都市、その空気が、確かに“現実”としてそこにあった。




