積んではいない
「それでは、転入生の紹介だ。来てくれ。」
カリス先生が軽く手招きをする。教室の視線が一斉に集まる。煉は少し深呼吸してから、一歩前へ出た。
「霧島煉です。どうぞこれからよろしくお願いします。」
ありきたりなセリフを言ってとりあえずこの場はやり過ごそうと思う煉であった。
「じゃあ煉、君は窓際の一番前の席だ。」
「え?前ですか?」
ん?普通一番後ろの席じゃない?転校生といえば、だいたい後ろで窓際、そして隣にはヒロインか変なやつがいるのがテンプレートじゃないのか。
「なにか問題でもあったか?」
「いえ、だっ大丈夫です。」
煉は指定された席に向かいながら、内心ツッコミを止められなかった。またもやテンプレートというものがなかったのであった。
まあ仕方がないとして席のことは諦めよう。確か今日は生活オリエンテーションだから教科の授業はなかったはずだ。というか俺まだ教科書すら持っていないからあると困る。
「煉には悪いいがもうみんな自己紹介しちゃったから、後で休み時間でみんなと話して聞いてくれ。」
えっまじ。なんでそうなる。
このあとすぐにチャイムが鳴った。
そうラノベだったらここで陽キャとかが話かけてくるのだろうが今日は学校が始まってほぼ初日まだグループとか陽キャとかの勢力図はできていないはず。そのため頑張れば馴染めるはずなのである。
といっても煉は陽キャとは関わりたくないので自分とには雰囲気のやつと仲良く慣れるように頑張るのだった。




