いっけない遅刻遅刻
「ここが君の教室だよ。それじゃあ私は事務室に戻るね。」
「はい、助かりました。」
先生が去っていったのを見ながら、煉は扉の前で緊張していた。
「いや、そりゃ初日から遅刻して途中から教室入るなんてきついって。」
教室のそばにいると話し声が聞こえる。
「しれっと入ればいいのかな。」
と謎の思考実験をしているさなか突如として教室の扉が開いた。
「あれ、君、もしかしたらうちのクラスの生徒か?」
教室から出てきたのは推定年齢27歳ぐらいの女性の先生だった。スーツ姿だがスカートではなくパンツスタイルだった。
「なに遅刻の一つぐらいで何ビビってるんだよ。」
と笑って彼女はこっちを見ていた。
「あ、あの・・すいません。霧島煉です。」
予想外の態様をされて煉は固まってしまった。
「うん、聞いてる聞いてる。転入生でしょ? 詳細は事務の方から回ってきてる。私は君の担任ドクター・カリスだ。よろしく。」
「え、は、はいよろしくお願いします。」
え名前にドクターって入ってるんだけど。
「よし、それじゃあ自己紹介ついでにクラスに入ってもらおうか。 遅刻のことは、まあ、そうだな転入生特権ってことでチャラにしてやるよ。」
「ありがとうございます。」
この先生ノリが良いいな。というかこんなのが先生で大丈夫なんか。
煉はそんなことを考えながら、教室の中へと足を踏み入れた。ざわざわとした声が止まり、数十の視線が一斉に彼を見つめる。異世界での、最初のクラスメイトたちとの出会いだった。




