表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元天才子役だった俺は平穏な高校生活を謳歌したい  作者: 86
第2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/136

第89話 センパイ

 いつも以上に忙しなく感じた平日が終わり土曜日になった。


 今日も今日とて俺は店の開店時間である10時からバイトが入っている。


 と言っても30分前である9時半にはスタッフルームで着替えを済ませており、今はスマホを触っている。


 スタッフルームには他のバイトの人たちはまだ来ていないのか店長がパソコンと睨めっこしているだけだ。


 おそらく社員としての業務だろうがこの時間は給料が出ないので社員も大変だな、と思う。


 そんなこんなで時間を過ごしていると今日も開店時間からシフトが入っている顔馴染みの2人がやってきた。


「おはよーございます!」


「……おはようございます」


 紗希先輩と高崎先輩だ。


 一応他にも何人かバイトの人たちとは会った事あるが、この2人に安城先輩を加えた3人とのエンカウント率が高い気がする。


 おそらく俺のシフト入れる時間帯がこの3人と被っているのだろう。


「おはようございます」


 俺は顔を上げて2人への挨拶を済ませる。


 それに対して高崎先輩は静かにコクッと頷き返し、紗希先輩はニコッと満足そうに笑顔を見せてくれる。


 そこで何かに気づいたように紗希先輩があっと声を出すと、何やら自分の鞄の中からゴソゴソと何かを探し始める。


 そして目的のものを見つけたのかそれを鞄の中から取り出して俺に向けて差し出してくれた。


「はい、誕生日おめでと!湊くん」

 

 俺はポカンとした表情のままそれを受け取る。


 それは箱の中に入っており、箱を開けてみるとそこには綺麗だけど格好良さも兼ね備えている腕時計が入っていた。


「え、ありがとうございます。てかこれ高かったんじゃ……」


「値段はあんま気にするもんじゃないぞー?高校生なんだから年上のお姉さんからのプレゼントは有り難く受け取ってくもんだよ」


 俺は誕プレにしては値段が高いような気もしたので少し申し訳なく思ったが紗希先輩はパチンッと上手にウインクをしてあまり気にしなくてもいい旨を伝えてくれた。


「……ありがとうございます。そう言えばよく俺の誕生日知ってましたね?」


 俺はもう一度紗希先輩にお礼を言ってから情報はどこで知ったのか疑問に思ったので聞いてみることにした。


「ん?前雑談してた時に教えてくれたじゃん」


 ……まさかの情報源は自分でした。


 俺はなんだこの茶番、と思いながら苦笑いをして紗希先輩から一瞬目を逸らす。


 そしてもう一度紗希先輩と向き合うと貰ってばかりは悪いということで今度は俺から先輩の誕生日を聞くことにした。


「貰いっぱなしは悪いので紗希先輩の誕生日聞いてもいいですか?俺も誕プレ用意します」


「えー本当に気にしなくていいのに。でも年下男子からの誕プレはちょっと期待しちゃうなー。まぁあたしの誕生日はだいぶ先なんだけどね」


 そう口に出して苦笑いを浮かべる紗希先輩。


 だけど俺はその言葉に対して気にも止めずに真剣な顔で先輩の誕生日を追求する。


「それでいつなんですか?」


「……3月15日。本当に覚えていたらでいいからね?」


「今スマホのカレンダーに先輩の誕生日を入れておくんで忘れる事はありませんよ」


 そう言ってからスマホのカレンダーアプリを開いて来年の3月まで移動する。


 そして15日に紗希先輩の誕生日と文字を入力してから完了のボタンを押す。


 今文字を入力したばかりのそれを先輩に見えるように向けてから言葉を発した。


「ほら、ちゃんと入力したんで絶対誕プレのお返し用意しますね」


 俺がそう言葉にすると今度は先輩はポカンという表情になって少し顔が火照ってきている。


「湊くん、可愛すぎ!」


 そう言って思わずと言った形で抱きついてこようとした紗希先輩を華麗に回避する。


「それじゃあもう10時なので1番に打刻してきますね」


 俺が地面へと突っ伏した様子の紗希先輩をスルーして店長と高崎先輩に向けて言うと2人は少し申し訳なさそうに謝ってきた。


「ごめんね、星宮くん。誕生日把握してなくて。誕生日プレゼントは用意してないけど誕生日おめでとう」


「……悪い、来年は覚えておく」


「2人とも気にしなくて大丈夫ですよ」


 俺は申し訳なさそうな顔をする2人に気にしなくていいように伝えてから紗希先輩に貰った腕時計をもう一度箱へと仕舞いそれを鞄の中に入れてロッカーに片付ける。


「それじゃあ先に打刻してきます」


 そうスタッフルームの皆に伝えてから俺は他の人より一足先にホールに立った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ