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元天才子役だった俺は平穏な高校生活を謳歌したい  作者: 86
第2章

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第74話 可愛い隣人

「やっとテスト終わったぁぁぁぁ!!!!」


 金曜日の昼過ぎ、教室内の少し離れたところで荒井が両手を挙げて雄叫びを上げている姿が見える。


 周りの生徒たちもそんな荒井の様子に少し引いたような顔をしているが、近くにいる海斗と風間は荒井の事を苦笑いしながら見守っている。


「ちょっと健人うっさい!」


 この2週間で1番荒井と距離が縮まったであろう荒井の勉強担当だった友里がバシッと荒井の頭を叩く。


 まだ時計では1時過ぎだが、今日はテストがあったのでもう下校時刻だ。


 だからか他クラスの友里と陽毬も容赦なくこのクラスに入ってきて海斗のグループや彩葉のグループに混ざって盛り上がっている。


「なっ、別にいいだろ!友里!」


 荒井と友里が名前を呼び合っている事にクラス中で半分近く驚いていたが、海斗のグループの3人は陽キャの集まりのためみんな大して気にはしていないようだ。


 ……多分俺が突然名前で呼んだら陰キャの勘違いも甚だしいと思われるためクラス内では絶対に名前を呼ぶ事はしない。


 そんな事を考えていたら隣人さんに声をかけられた。


「やっと終わったねテスト。手応えどうだった?」


 俺はそう三浦さんに聞かれたので無難に答える。


「まぁまぁだと思う。2年生の先輩に勉強教わってたからこれで赤点1つでも取ったら顔向けできないし」


「そっか」


 そう言って三浦さんはにっこりと微笑んでくる。


 この子のこういうほんわかしている雰囲気は他クラスの男子生徒に結構人気があるらしい。


 このクラスではダントツ彩葉が人気で2番、3番は彩葉といつもつるんでいる名前は早乙女莉桜(さおとめりお)神楽恵(かぐらけい)の2人が人気を集めている。


 早乙女というのは茶髪のロングヘアーにネイルを塗っており、彩葉より少し背が高くスタイルもいい美少女である。


 逆に神楽は黒髪を後ろでポニーテールでまとめており、目も少しキツく見た目からは真面目としか思えないような美少女である。


 早乙女と神楽は4月の最初の方に彩葉と仲良くなったこのクラスの人間だが、彩葉に聞く限りは休日にたまに友里と陽毬も加わった5人で遊びに行ったりもしているらしい。


 ……神楽だけ見てて少し系統が違うと思うが、何故仲良くなったのかは不思議である。美少女同士通じ合うものでもあったのだろう。


 俺はあとは帰るだけと思い立ち上がるとピロンとズボンのポケットに入れてたスマホから音が鳴った。


 なんだ?と思いスマホを開くとそこには映研のグルレイで先輩からメッセージが入っていた。


『今日この後テスト終わりの打ち上げするから皆各々外でお菓子やジュース買ってきてから部室集合!今日だけは部外者も歓迎!皆クラスの友達とか誘ってみんなでワイワイしよー!』


 そんな事が書かれたレインが入っており他のメンバーがそれに対して次々と返信していく。


 俺も『了解』とだけ返信してから特に誘う友人もいないしな、と思いながら横を振り向くと可愛いお顔をした三浦さんと目が合ってしまう。


 コテンと首を傾げた三浦さんにどうせ断られるだろうと思いながらも俺は一応声をかけてみる事にした。


「あー三浦さん、ちょっといいか?」


「うん、どうしたの?」


「この後うちの部室でテストの打ち上げ会やるみたいなんだけどもし良かったら来る?部外者も今回は参加オッケーみたいだしさ」


 俺は三浦さんの返事にあまり期待せずにそう聞くと予想外にも三浦さんは首を縦に振ってくれた。


「んー行ってみたいかも。私昔から友達少ないから、あまり誰かに誘われた事ってないんだよね。だから星宮くんに誘ってもらえて嬉しい、かな」


 三浦さんは少し照れた表情をしながらこちらを見てきたので俺もそれに対して「そ、そうか」とだけ言って顔を背ける。


 三浦さんの照れ顔は物凄い破壊力を持っているとこの時思い知らされた。


「じゃ、じゃあ今から一緒に買い物行く、か?」


 これは流石に断られるかな、と思いながらそう声をかけてみると三浦さんはあまり気にした様子を見せずに「うん、行こ行こ」と首を縦に振ってくれた。


 このクラスで俺が話せる人間が風間とこの子しかいない事もあって俺にこう優しく微笑みかけてくれる三浦さんの事がまるで女神のように錯覚した。


 それから三浦さんはさっと荷物を片付けてから教室の扉付近まで行き「星宮くん早く行こ!」と手を振ってくる。


 俺も席を立ち上がり三浦さんの近くまで鞄を肩にかけて歩いて近づくと後ろの方から少しだけ冷気を感じて冷や汗が出る。


 試しに振り返ってみると少し離れた位置から彩葉と友里と陽毬が少し怖い顔でこちらを見ている気がするが、俺は特に何も悪い事はしてないのでそれは気のせいだろう。


 そう思い込む事にしてこの教室を後にしたのだった。

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