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第104話 再会

 俺は15時まで入ってたバイトを終わり、喫茶店Believeのスタッフルームでスマホの通知を確認すると彩葉から『15時に前みんなで行ったファミレスに来れる?』とレインが入っていたので俺は何も疑わずに『すまん。今バイト終わったからすぐ向かう』とだけ返信して喫茶店Believeをすぐに出る。


 おそらく彩葉が言ってるファミレスは映研の打ち上げなどでよく利用するあのファミレスの事だろう。


 俺は自転車に乗り込むと急いで目的のファミレスへと向かう。


 何の用で俺を呼び出したのかは分からないが、既に彩葉の事を待たせすぎているのであまり遅れすぎると迷惑をかける。


 俺は立って自転車のペダルを漕いで目的地を目指すと10分弱で到着する事ができた。


 自転車を駐輪場に停めて鍵を抜いてから入り口の扉から入店する。


 そして目的の人物を探すとすぐに見つかった。


 彩葉が俺の姿を確認して「こっち!こっち!」と手を振ってくる。


 俺は彩葉のところに向かい「悪い、遅れた」と言葉を発すると、彩葉と共に席に座っていた4人の人物の存在を見て驚きで固まってしまう。


 というのも、俺はてっきり彩葉だけが待っているものだと思っていたが、まさか真島監督、白石麗華、そしてルナが一緒に座っていると思わなかった。


 もう1人彩葉の隣に座っていたがこちらは俺の記憶にはないのでおそらく初対面だろう。


 俺はまず左側のソファの奥に座っている真島監督を見て頭をかきながら挨拶をする。


「……えっと、監督お久しぶりです」


「あぁ、久しぶりだな湊。元気そうでよかった。また芸能界に戻る気はないのか?お前なら俺は主役で起用するけどな」


 真島監督は真剣な表情でそう俺に言ってくれるが、俺は首を振りながらその誘いを断る。


「ありがとうございます、監督。でももう俺は芸能界で活動する気はありませんから」


「……そうか。まぁまた気が変わったら連絡してくれ」


 そう言って監督は自分の連絡先が書かれた名刺を俺に渡してくる。


 俺はそれを財布にに仕舞うと今度は監督の隣に座っていたサングラスをかけた今話題の女優様と目を合わせる。


「あー、久しぶりだな、麗華」


「湊……覚えててくれたんだ、嬉しい」


 麗華はそう言って本当に嬉しそうに顔を綻ばせるが、俺はそれに対して少し罪悪感から顔を逸らしてしまう。


「あ、ああ、勿論だ」


「……お兄ちゃんの嘘つき。前私が話題に出すまで忘れてたじゃん。てか話題に出しても全然思い出さなかったし」


「うっ……」


 ルナがそう口に出して俺にジト目を向けてくる。


 ルナの言葉を聞いた麗華は今度は冷え切った目に変わっており静かに言葉を発した。


「へぇ、忘れてたんだ、私の事。あれだけ共演したのに、ね?」


「……すみませんでした」


 麗華のその冷たい視線に耐えきれず俺は大人しく頭を下げて謝罪する。


「……携帯貸して」


 今逆らったら面倒臭い事になりそうなので俺は大人しく麗華にスマホを渡す。


 そして麗華は何やら自分のスマホと俺のスマホを操作してから俺にスマホを返してくる。


「レインにあたしの連絡先登録しといたから。これでもう忘れる事もないよね?」


 麗華はそう言ってニコッと微笑んでくるが、俺からしたらその笑顔が怖い。


「あ、ああ、そうだな」


 俺はギリギリそれだけを口してから、いつまでも通路に立っているのはここを通る人の邪魔になると思い麗華の隣に腰を下ろす。


 ちなみにここは4人席である。


 その4人席に座っている人数は6人。つまり2人座るところに3人ずつ座っているわけである。


 俺の向かい側には女子3人が仲良く隣同士で腰をかけているが、こちら側は監督、麗華、俺の順番である。


 そして2人がけのソファに3人座ると勿論窮屈になるわけで、麗華は俺が座った途端こちらに身を寄せてきてピッタリとくっついてくる。


 まぁ反対側はいい歳したおじさんである真島監督なのでまだ若い女の子がくっ付きたくないのは分かるが、だからと言っても少し俺にくっ付きすぎな気はする。


 横から見える範囲だと麗華の頬は少し赤く染まっている気がする。


 ……そこまで恥ずかしいならもう少し離れてくれてもいいんだが、やはり監督側には寄りたくないのだろうか。


 何故か左斜め前に座る彩葉の視線も徐々に厳しくなっている気がするし。


 俺はこの気まずい雰囲気を脱する為に自分の正面に座る初対面の女の子に話を振る。


「えっと、君は……」


「あ、私は麗華ちゃんと同じ明星プロ所属のモデル、桐谷莉乃って言います!それでえっと、星宮湊さんってあの星宮湊さんで合ってますか?」


「……まぁどの星宮湊を指しているかは分からないけど、多分その星宮湊だな」


「わぁ、凄い!星宮湊っていえばもはや伝説的存在じゃないですか!あの星宮千秋の血を受けて生まれてきた天才だけど、急に親子共々芸能界から姿を消した消えた天才!芸能界でもいまだに話題に上がりますよ!彼がまだ芸能界にいたらどれほどまで成長していたのかって!」


「お、おう……」


 俺は桐谷さんの勢いに圧倒されてしまいいつもこんな感じなのか?って意図を込めて彩葉に目を向けるが彩葉は首を横に振ってそれを否定した。


 まぁひとまず顔合わせは済んだので俺は監督にメニューを取ってもらいさっさと頼むものを決めると店員を呼んで注文した。


 俺が注文したのはチョコレートケーキとドリンクバーである。


 流石にまだ15時半くらいなのであまりしっかりとした食事をする気はない。


 実際俺以外のメンツも各自ドリンクバーとデザート系を1品頼んでいるだけだ。


 俺は注文を終えてから監督にメニューを戻してもらいドリンクバーに行って緑茶を汲み、入店してからようやく落ち着けるという感じでソファに腰を下ろしたのだった。

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