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7.クレイの心※クレイ目線



(無事で、よかった)


倒れているキリをみて自分が制御出来なかった。

クソみたいな任務は放っておけばよかったと舌打ちをした

本当は断れたのかもしれない。

それを変なヤキモチで危険にさらしたことにまた怒りが込み上げた。

キリが女と知らないザッカの感情はおそらく友情だろうがそれでもどうしようもなく妬いてしまった。


(キリと会ったのはもう10年も前だ⋯⋯あの子が覚えてなくても仕方ない)


そう理解しているものの感情は別だと思い知らされた。


自分の持てる権力を使って治癒魔術を受けさせたもののキリは魔術を弾いた。

これで弾き続ければキリの体力的にももつのかと心配になるほどの怪我だった。

そろっと手を握るとキリを見る。青白い顔色に恐怖が体を駆け抜けた。


「だいじょうぶだから、こわくないから」


幼いキリが言った言葉だ。それがクレイを救ったと知っているだろうか?

なのに自分には何も出来ないのかと、キリの手を包み何度も大丈夫と声をかけていると次第にキリの抵抗が収まった。


少しだけでも治癒が行われたことで傷は治ったが、完全とは言えない。それでも危険が去ったことでやっと息が吸える気がした。


だから決心した。

自分の気持ちを捨ててでもキリを守ると⋯⋯

キリのいない世界になど生きる意味が無いんだから⋯⋯


たとえあの『約束』が果たされる日が来ないとしても。



まだ14のキリは子供だ、一方のクレイは24の青年である。

普通に考えればクレイがキリに恋情があるのはおかしいのだが狂おしいほどにクレイはキリを求めていた。

24になったクレイには以前は婚約を求める家が多くあった。

15の頃から話はチラホラとではじめ学園卒業時には釣書の山ができるほどだった。

家柄も才能も突出していたクレイは同年代の令嬢にはとても良い縁談相手だった。

それを跳ね除け続けついには望んだ相手との婚姻を可能にすると王家から約束も取り付けた。

そのために家からは出ることになったがクレイからすれば狙った通りだった。



「オレにはあの日からお前だけだよ」


小さく呟くと元の姿で寝るキリの髪をひと房取り口付けた。


短めです。

読んで下さりありがとうございました。

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