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沈む
僕は目が覚めて、ああ、今日は入学式だったなと、体を起こす。顔を洗って、朝食を食べて、着替えて。準備を終えて、通学路を歩く。本当なら、先輩と行きたかった道。学校も近づいた頃、友達が「久しぶり」と手を振ってきた。会えなかった間の話をしながら、ふたりで道を歩いていると、世界が揺れた。何事かと思っていると、山が崩れたような気がして、人々と流されていた。人の流れに押されて倒れた時、友達はもっと先の方にいた。すぐに逃げるべきだと頭の中で警報がなっている。それなのに、もう、体が動かなくなるような感覚に飲まれて、友達が、何か、叫んでる。その声も、だんだん、遠く、遠く、なっていく。
「―――――」
ああ、ここは何処だっけ。
前に書いた外伝みたいなものの本編の前日譚みたいなものです。普通に一つの作品として読んでいただけたら幸いです。現実の問題でゆっくり書くことになるので、気楽に待っていただけたら嬉しいです。本編もいつか書きます。死なない限り書いてみせます。