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キャラに主体性がない問題

 小説を書くのって意外と難しい。ということに、ようやく気付いた。数年、素人ながら創作活動をしてきてようやく気が付いた。


 何が難しいか、っていうと、それはもう多岐にわたる。例えばモチベーションを保つのが難しいとか、そういう次元の話もあるし、そもそも世界観を考えるのが面倒くさいとか、そういうのもある。

 でもやっぱり、キャラが魅力的じゃない問題が一番深刻だと思う。少なくとも私にとっては。


 何度小説を書き直しても、私の考えるキャラにはなんら主体性がないんだよね。ただ漠然と無目的につまらない日常を送っていて、ただなんとなく事件に巻き込まれて、なんとなくそれも解決されて、みたいな。だから物語の結末が、「終わりなき日常を生きろ」みたいな話になりがち。というか、ほとんどそう。

 もう主人公じゃなくてモブキャラなんだよ。なんにも魅力がないんだよ。自分で書いてて思うもん。「なんだこいつ。全然自分がないじゃん」って。私でさえ読みたいとは思わないもん。


 なんでこうなるのかって考えると、やっぱり私自身がそういう人間だから、という理由が一番真っ先に浮かぶ。なんとなく学校で勉強してなんとなくアルバイトをして、なんとなく人生を生きてきた。夢がなかったわけではないけど、それも今となっては「夢と言えるのか?」とかなり懐疑的である。


 私はミステリ作家になりたかった。と、思っていた。もともと推理小説が好きだったから。でも本当は、「ミステリ作家になりたかった」のではなくて、「ミステリ小説の読者でい続けること、つまりコンテンツの消費者であり続けること」に対する反発でしかなかったんじゃないかと思う。夢があったのではなくて、現実に埋没したくなかった、みたいな。


 そういう人生だから、私の人生は「終わらない日常」と「このまま日常が終わらないのはヤバいんじゃないか感」だけで記述しきれる。それは言い過ぎかもしれない。でも、本当にその二つだけで自分の人生を語れるようにすら思える。

 そんな人間が考えるキャラだから、当然1mmの主体性もない。中身がない。薄っぺらいとかじゃなくて、無い。世界を救うという目的もないし、誰かと恋愛関係になるという熱意もないし、これといって特別な能力があるわけでもない。もう私じゃん。こいつ私じゃん。


 最近、高校生が主人公の簡単な推理小説を書き始めてみたのだけど、ロシア文学を極端に薄めた、みたいな感じになって絶望した。のっぺりとしていて、冗長としている。つまんな。こんな言い方には知性も品性もないけど。でも自分の作品だからあえて言う。つまんな。

 クラスメイトとの交流もないし、部活もバイトも恋愛もない。この主人公、生きてて楽しいのかな。もうそんな感性すら枯れているように思う。人生規模の不感症。一度きりの人生が無味乾燥に終わっていくことを完全に受け入れている。それでいて、なんかヤバいかも、みたいな漠然とした危機感だけがある。完全に私と同じ。



 創作のために人生を生きる、というのも変だけど、本当に創作活動を私がするためには、ちょっと人生を本気で生きた方がいいかもしれない。何か趣味なり目的なりを見つけて、それに熱中する経験をした方がいいかも。資格勉強でもしようかな。街コンとか行った方がいいかもしれない。


 というわけで、とりあえずはこのエッセイを更新し続けることを一つの目的としてみよう。これが駄目だったら、私は本当に創作を諦めた方がいいかもしれない。いや、そんな重いことを考えるから、気分が沈鬱になって物事を続けられないのかも。そして、目的を簡単に放棄してしまうのかもしれない。「絶対東大に行くぞ。そうでなければゴミだ。ああ、そんな厳しいレースに参加するのやだな。東大目指すのやめよ」みたいな感じ。


 とにかく、もうすぐ社会人になるし、自由に使える時間も少なくなる。それまでいろいろやってみよう。このままじゃヤバイという危機感ではなくて、これをしてみたいという好奇心を育てよう。そっちの方が創作にも、健康にも、人生にもいい気がするから。

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― 新着の感想 ―
[良い点] めっちゃいい。自分のミスを認め改善しようとすることはめっちゃ憧れるものだ。私はこういう人の性格を尊敬しています。できれば友だちになりたいところですが、どうすればいいでしょう?作家さんはきっ…
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