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たらこのエッセイ集

ありえないことを恐怖する ~高いところが苦手な理由~

 どうも、何事も深く考えすぎるたらこです。


 皆様には苦手な場所があるでしょうか?


 狭い場所が苦手。

 暗いところが苦手。

 あそこはうるさい音がするのが嫌。

 逆に静かすぎるとイヤ。


 人にはいろんな苦手な場所があると思います。

 高所恐怖症なんてその一つですね。


 たらこは恐怖症というほど苦手ではないのですけれど、ある理由で高いところが苦手です。


 それは……自分が落ちた時のことを想像してしまうから。


 高いところで欄干付近に立つと、足がすくみます。


 眼下に見えるのは小さな家々。

 あるいは背の低いビル群。

 人の姿は豆粒のよう。


 はるか遠くまで見渡せるその光景を眺めると、どういうわけか自分が落ちる時のことを考えてしまうのです。


 もしここで誰かから持ち上げられて落とされたら、抵抗する間もなく落とされるでしょう。

 そう考えると……怖い。


 いや、考えなければいいんですけどね?

 でもでも怖いものは、やっぱり怖い。

 落ちてしまった時の事を考えてしまうのです。


 絶対に死にますからね(真顔

 落ちたら。


 そう、落ちたら死ぬんです。

 絶対に助からない。

 それが分かっているからこそ、怖くなってしまう。




 ある時、一人で公園に出かけました。


 その公園は小高い丘陵の上にあり、街が一望できる展望台が建っています。

 展望台の一番上から街を見渡すと、遮るものがなくずっと遠くまで見渡せるのです。


 んで、その展望台に上ったわけですよ。

 螺旋階段が一番上まで続いています。


 最初は何気なく登ってみました。

 しかし、急に不安になります。



 この階段の足場がいきなり壊れたらどうしよう。



 いや……おかしいって。

 自分でも変に思うんですけど、急にそんなことを考えてしまったんです。


 足場はシマ鋼板とよばれる滑り止め付きの鉄板。

 錆びているわけでもなく、きちんと備え付けられています。


 しかし……その鉄板が急に崩落するのではないかと、根拠のない不安がたらこを襲います。

 次の一歩を踏み出した瞬間に真っ逆さま。

 そうなった時のことを考えてしまって足が震え、まともに歩けません。


 それでも頑張って上まで登り切りました。

 街を一望して写真を撮ったら満足したので、階段を下ります。


 また足が震えます。

 怖いです。

 とっても怖いです。


 高いところも怖いですけど、高いところから落ちることを想像すると、なおいっそう怖い。

 怖くて、怖くてたまりません。


 やっとのことで降りたたらこは、地面を踏みしめて安堵します。

 生還したのだと。


 こう書いてみると、随分と馬鹿な奴だなと自分でも思います。

 本当に何がしたかったんでしょうね?


 安堵するたらこですが、まだ試練は残っています。

 その公園は丘の上にあるわけですが、階段を上らないとたどり着けないのです。

 帰りはその階段を下りなければなりません。


 で……その階段が結構急で、長いんですよ。


 長いと言っても、50段は無いと思います。

 せいぜい30段くらいでしょうか?


 それでも上から見下ろすと結構な長さになります。

 勾配もかなり急です。


 たらこは手すりにしがみつくようにして、ゆっくりその階段を下りて行きます。


 んで……思うわけです。

 階段を下りているときに手すりが壊れたらどうしよう……なんて。


 ……馬鹿なのかな?

 このたらこは、アホのたらこなのかな?


 もう二度とこの公園には来ない。

 そんなことを考えながら、必死に階段を下りました。




 はぁ……助かった。

 たらこは乗って来たバイクにまたがります。


 んで帰宅する道中、急なカーブが続く道があります。

 そこを運転している時にふと思うわけです。


 曲がり切れずに転んだら……。




 こんな毎日ですけど、たらこは元気です。

 高いところに上らなければ、とりあえず大丈夫。


 考えすぎってあまりよくないですよね。

 怖い思いをするくらいなら、怖いことを考えるようなシチュエーションを避ければいいだけのこと。

 日常生活を送るうえでは何の支障にもなりません。


 ……そう。


 電車に乗っている時に、ふと窓の外を眺め、高速で流れる地面に目をやり、そこに体の一部がくっついてすりおろされたらどうしようとか。

 包丁の先端をじっと眺めて、もしこれがお腹に刺さったらどうしようとか。

 脚立に乗っている時に急に倒れたらどうしようとか。


 そんなことを考えなければいいだけの話なのです。




 運転をしている際には、もしかしたら……と危険を想像することは大切だと思います。

 もしかしたらを想像することで、実際に起こり得る事故を回避できるわけですから。


 でも……そのもしかしたらを日常の中で考えすぎると、変に不安になったりするかもしれません。

 危険を想像するのもほどほどにしましょう。


 まぁ、こんなこと普段から考えているのはたらこくらいでしょうけど。




 あっ、このエッセイ。

 炎上したらどうしよ(略

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― 新着の感想 ―
[良い点] 私も高所は苦手で足がすくみます。 多分、小さい頃に落ちて骨折したのが原因かと。 だから、展望台があるような所には極力行きたくないのですが、なぜか絶叫アトラクションは意外と大丈夫なのですよね…
[良い点] たらこ様 想像力が豊かゆえの弊害ですから、仕方ないですよね。人よりも想像性に優れている証拠ですよ。 はー、僕はね、いまだにあるんですけど、身近な死ねるシチュエーションに逆に惹かれてしまう…
[良い点] 私も高いところに行くと同じように考えてしまうことがあるのでよくわかります。 後、私の場合空を見上げると空へ落ちていったらという恐怖のせいで原っぱに寝転がったりして空を見上げることが出来ませ…
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