お題 猫 コンビニ 恋 2
二人目の投稿です
いつものコンビニで、私はお菓子コーナーで突っ立っていた。特別買いたいものがあるわけではないけれど、甘党な私の足は無意識におかしコーナーに足を運んでいたのだ。
適当に友達と分けられそうなチョコ菓子とスナック菓子を手に取った。そしてパッと店の中の時計に目をやった。午前八時八分。ちょうどよい時間だ。さっと会計をすませ、外に出る。毎日の日課だ。高鳴っていく胸の鼓動を必死に抑えて、一歩二歩…と足を進める。
「おはよ!」
元気な声が右から聞こえてくると同時に、声の主はヒョッコリ私の顔を覗き込んだ。
狭間純太。同じクラスの男の子。…私が、恋してる人。狭間君のバスの時間に合わせて、少し早めに家を出て、このコンビニで時間をつぶし、あたかも偶然鉢合わせしたかのように出くわすのが日課になっている。今日でもう一週間目だ。そろそろ挨拶以外にも、何か会話はない物か…と、頭をぐるぐるさせると、足元に何か違和感を感じた。やわらかいものが、ふわんと足首にこすりつけている。猫だ。まだ小さい、幼猫のようだ。その可愛さについほほをゆるませると、狭間くんもすぐに気が付き、まぶしい笑顔で言った。
「すげぇ可愛い!人に慣れてるね。なにかあげたくね!?」
お互いに食べれそうなものはないかと身の周りを見渡すと、ついさっき買ったばかりのスナック菓子があることに気が付いた。
「猫にこういうのあげて、大丈夫かな…?」
まだ私の足元でスリスリと甘える猫に目をやる。狭間くんは少し考え、渋い顔で言った。
「ノラだから何でも食べそうだけど…やっぱり体に悪いし…。良かったら、また明日この時間に会ってエサあげない?今度はちゃんとしたやつ!」
何と、猫のおかげで明日一緒に待ち合わせすることができた。
「う、うん!約束!」
明日、あの猫がここに来るかは全く不明だが、恋する人との距離を知事めてくれた猫の為に、棚で一番高い猫缶を買おうと思った。またあのコンビニで。