↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TAKUMI  作者: 水嶋ゆり
PR
55/132

第55話

  医師たちが帰り、どうにか落ち着くと、沢木は目の前にいる女性が気になりだした。匠とは面識があるらしいというのも不思議だ。単に匠だけの知人なら沢木が知らないのも無理はないが、沙織のベッドに付き添っているとなると事情は違ってくる。もちろん、奥向きのことは執事である榊原が仕切っているので沢木が知らないのも当然だ。それにしても妙だ。怪訝な日表情を察知したのかその女性が何か言おうと身を乗り出した。ところが彼女に先んじて匠が口を挟んだ。

「鈴波早苗。榊原の妻女だ。」

え?と驚いたのは沢木ばかりではなかった。早苗の方が驚き、まじまじと匠を見た。

「いいんだ。もうわかっている。あなたから聞いた話から、もしや、と榊原を問いただした。あいつは何も言わなかったが、態度でそうとわかった。」

「榊原さんに奥さんがいたなんて・・驚きです。 でも、名字が違うのはなぜですか。」

「それはオレにもわからない。いくつか考えは浮かんだが、こればかりは夫婦間の問題だから。」

匠はつい、と早苗の顔を見た。早苗は下を向いたまま縮こまっている。

「それに。」匠は続けた。

「なぜこの人がここにいるのかもわからない。あんなに自分の正体を隠そうとしていたのに。これでは沢木のみならず誰もが不審に思う。名字云々はさておき、これだけは説明してもらいたい。・・・どうです?もしあなたができないのなら今すぐ榊原をここに呼んで説明させますが。」

「と、とんでもありません!そんなことをしたらあの人に何て言われるか!」

その態度から想像すると、よほど榊原の出現が怖いらしい。

「では、説明してもらおうか。なぜあなたがここにいて沙織の看病をしているのか。」

4つの目にじっと見つめられ、早苗は手が白くなるほど握り締めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。