↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TAKUMI  作者: 水嶋ゆり
PR
109/132

第109話

  「この婚姻でぼくが得る権限はどのようなものでしょう。 そうですね、たとえば・・人事に関すること・・いかがでしょう。」

「権限? 人事? 具体的に言いなさい。」

「得宗グループのみならず、公の機関も含めて、です。」

「ある程度は可能だ。だが、なぜそんな事を聞く。」

「ええ、ちょっと。ただ口にすると差しさわりがあるので言えません。」

「私情を挟むことは許されないぞ。」

「わかっています。しかし部下をないがしろにし、他人を見下している人間に役職を与え、大きな顔をさせておくのは笑止千万です。他人の振り見て我が振り直せ。という最も悪い見本を見せてもらい、ぼくとしてはいい勉強になったと思います。それでもああいった人間には遭いたくありません。いかがでしょうか。」

匠の言葉に秀一は目を細めた。それは彼がよく見せる怒りの表情だった。

「そいつの名は。」

「言わずともすぐおわかりになると思います。有名らしいですから。」

「そういうことならおまえの好きにするがいい。」

「ありがとうございます。早速着手させていただきます。それからお約束いただいた日下たちへの報酬の件ですが、今までのところ特に希望が出ていません。それではいつまでたっても埒が明きませんので、臨時ボーナスということで金一封を出したらいかがでしょうか。もちろん暮のボーナスも例年より弾みましたが、別口で謝礼金として出せば良いと思うのですが。」

「うむ。おまえの思うとおりにしなさい。」

「はい。ではすぐ手配いたします。」

そう言って立ち上がろうとした匠の袖を秀一は引いた。改めて腰を下ろす匠。

「何でしょうか。」

「おまえの、希望はないのか。今の2件は双方、他人事だ。」

「いいえ。今のぼくには望むものはありません。それに・・望んでも詮無い事です。・・・強いて言えば、あなたのご期待に副えるよう頑張ることでしょうか。」

「そうか。  わかった。」

「では、手配してまいります。」

「私の部屋の電話を使いなさい。誰に連絡するにしても直通で通じる電話だ。」

「はい。そういたします。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。