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梅雨が訪れる頃  作者: Taiga
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第二章 出会い

季節は春。

つい先程中学校を卒業した。

先生からは出会いの春だとか別れの春だとか色々言われた。

まぁそんなことは気にしていない。

というか聞いていない。

校舎から出る。

雨が降っている。

僕は折り畳み傘を取り出す。

僕は門から出て、一直線にある場所に向かう。

家ではない。

森だ。



それから三分程歩いただろう。

森に着いた。

森が好きなわけではない。

まず傘を閉じる。

雨が降ってないからだ。

言葉が矛盾しているのだが、事実なのだ。

そしてそのまま真っ直ぐ進む。

草々をかいくぐり進む。

それは何か不思議な感情を奮わせる。

進んだ先に、僕の求めるものがあった。

辺りは快晴。

僕の視界には幻想的な桜の木々が映っていた。

僕にとってこの桜の花びら一枚一枚は宝物だ。

これが僕の求めるもの。

そして何故かこの森だけはいつも晴れていた。

たとえ他の場所が雨でも。

こんなに美しいというのにこの場所には誰もいない。

何故ならわざわざこんな森の奥に来る奴なんていないからだ。

見つけられない場所だから。

僕はいつこの木を見つけたかは分からない。

風とともに少しずつ桜が散っていく。

僕はいつも中心にある大木のもとに座って考えごとをしたり、独り言を言ったりしている。

今日もまた座る。

「落ち着くな~」

そう一言つぶやいた。

「そうだよね~」

今返答が返ってきた気がする。

僕は左を見る。

「うわぁっ?!」

声に出てしまった。

見たこともない少女がそこに座っていた。

「あれ? ビックリさせちゃったかな。ごめん!」

彼女は笑顔で話す。

とても楽しそうに。

その満面の笑みは散る桜と同化してとても美しく見えた。

「まさかこの場所を知ってるとはな」

「綺麗だよねー!」

何故だろう、どこか暖かさを感じる。

それから僕たちは桜を眺める。

どれだけ見ていたかは分からない。

でもそうしていると彼女に一言かけられた。

「じゃあそろそろ私帰るね!」

そう言われたので挨拶はしておいた。

「じゃあな」

「名前を教えて?私は桜井 春奈」

同じ名字だった。

普段名前を聞かれても答えることはない。

ただ事ではないと思った僕はちゃんと答えた。

得体の知れない何かを感じたから。

「もう会わないとは思うけど、名前だけは言っておくよ。僕は桜井 春樹」

「分かった。覚えておくよ」

なにも知らない一人の少女だが、ただ一つ言えるのは『不思議』だということ。

普通、全く知らない人間に話しかけられるものだろうか。

その点がただただ不思議だった。

もしかしたら、僕と彼女には何かしらの接点があるのかもしれない。

僕の記憶には無いが。



__どうだった?

まだ君達は何も知らない。

とにかく、これが僕と春奈の出会いだ。

これから僕は少し厄介な事が起こっていくのだ。

人間というのは誰しも人生がある。

その中で人間関係というのは非常に大切だというのは分かっている。

出会いがあれば、別れがある。

それも人間関係。

春奈との出会いは今後に影響していく。

暖かい目で見届けて欲しい__

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