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(4)論点整理

(承前)


 何故、宮本先生は生徒自治会長の私を巻き込む事にしたのか気になった。


「何故、私なんです?」

「先生や生徒の中にハラスメントをやっている人物がいて、まだ発見できていない場合、被害者の生徒が更に圧迫される可能性がある。ここまではいいかな?」

「はい」

「校長先生は被害者に話を聞いて対応をとりたいと言われているが、加害者を突き止めるか被害者に秘密裏でいいから名乗り出てもらわないと対応が取れない。でだ、生徒自治会として別名目で調査を出来ないかと思ったのだ。ただ具体的にどうするべきかいい手を思いつかないし、思いついても妥当か分からない。なので悪いがそこから相談させて欲しい」


 宮本先生と校長の斎藤先生はこの問題を真摯に考えている。これは協力すべきだとすぐ判断は出来た。被害者を追い詰めたらダメ。加害者側に事態を知られる事なく状況を把握したい。問題が起きているクラブかクラスを知りたい。どうすればそんな事は出来るのか。


「先生のご依頼の主旨は理解しました。協力は惜しみませんけど問題は方法ですね」

「何か調査の名目を立ててその中でいじめやハラスメントについて目撃したら書いてもらうというのも考えたがちょっとな」

「直接的に書いたら校長先生と宮本先生の秘密裏の対応が水の泡だと思います」

「そういう事だ」

「こちらがメールを送った人、もしくは送った人を知っている人が学校に相談しても大丈夫だと思ってもらう事が必要です。それには学校側が秘密厳守で連絡が出来るんだという事を納得して貰う必要がある。その事を伝えられたらいいと思うのです」

「だな。そうなるとアンケートだけに拘る必要はない」

「はい。信用できる安全な連絡手段がある事を知らせる事が出来たらいいです」

「今時ならメッセかな?」

「メッセはこの件ではあまりよくないと思います。アカウント名を生徒に知らせたら愉快犯的な書き込みも来ると思いますから。使い捨てのメールアドレス取れてるみたいですし、この件はメールの方がいいと思います。連絡が取れたら非公開のメッセ・アカウントを用意してやり取りするのはいいんじゃないでしょうか」

「確かにそうだな」


 宮本先生、メッセは分かるらしい。話しが早くて助かる。メリットもデメリットもあるし、下手なやり方して校外から余計な投稿が殺到したら学校側が持たない。


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