明日はドキドキの試験です
私とリリ、二人は受付の人に教えてもらった宿に行きました。
ぐぅぅぅぅ。
私とリリのお腹の音です。
聞き苦しい音を聞かせてごめんなさい........。
「リリ、ここは宿でご飯を食べた方がいいと思います。」
「........そ、そうね。私もお腹減ったし........。」
と、言うわけで私とリリは夕御飯を食べることにしました。
今日のメニューは、鶏肉みたいなお肉の唐揚げ(?)と、パンとスープです。
あちらの世界並のご飯です。
凄く美味しくて、幸せな気持ちになります。
「美味しいです。こちらの世界のご飯がこんなにも美味しいなんて知りませんでした。」
リリはと言うと、宿屋の人にもらった小皿に取り分けたご飯を食べています。
何でも、こうして精霊または聖霊と契約している人がそれなりにいる世界ならではのことだとか。
こういうのを見ると凄く面白いです。
「美味しいわ!神の世界の食事には及ばないけどね!」
それは、そうでしょう。
リリ、あなたは比べる対象を学びましょう。
人間と運命を司る女神と比較するものではありません。
私たちは、こうして異世界はじめてのご飯を美味しくいただきました。
私とリリは、鍵をもらい、そのお部屋に行きました。
凄く豪華というわけではありません。
しかし、清潔さのあるお部屋です。
取り敢えずリリに浄化の魔法をかけてもらい、私とリリは試験勉強ということにしました。
「えっと、確かここの世界を司る神に聞いたのだと、試験はかなり厳しいみたい。特に筆記試験が厳しいみたい........。ただ、この国は多民族国家だからエルメント王国の歴史とかの問題は出ない筈よ。語学、算術、戦法、政治学ぐらいね。」
なるほど........。
ですが、厳しそうです。
語学は、リリの聖霊の加護のおかげでなんとかなるはずです。
算術は、あちらの世界と同じ水準でしたら、私は、高校レベルでしたら大丈夫でしょう。
えぇ、あの学校独自問題の勉強が役にたちそうです。
戦法は、リリに聞いたところほとんど記述式の問題で毎年1問しか出ないおまけの問題だそうです。
それに、あちらの世界では歴史が好きでしたのでなんかいける気がします。
政治学は少し不安です。
ぶっちゃけますと、私は、あちらの世界でも十分に未成年でした。
なので、政治は中学校の公民レベルの知識しかありません。
「リリ、私に政治学なんて無理です。」
つい、リリに言ってしまいました。
私だってわかっているです。
この試験に受かれば、こちらの世界での生活が約束されます。
ですが、言い換えるとこちらの世界での生活がかかっています。
緊張で押し潰されそうです。
「悠花........。政治学なんて、確かに難しいものよね........。でも、多分悠花なら政治学全部落としても受かるわよ。」
リリが言います。
「筆記試験は、さっきもいったけどかなりの難関。つまり、毎年平均点自体がすごく低いの。特に政治学の分野は。つまり、政治学以外に不安なところのない悠花でもきっと大丈夫よ。」
リリの言うことに嘘がなかったらそれこそ私は、受かるでしょう。
しかし実践検査の方も気になります。
「実践検査の方は........。さっき、募集要項見たけど魔法がステータスカードの銀色以上って書いてあったよ?」
そもそも、ステータスカードの使い方がよくわからないので、色を言われてもよくわかりません。
「悠花のステータスカードを見せて。確かスキルの文字の色でそのスキルのレベルがわかる仕組みだったわ。確か、黒から金色までのレベルがあって稀にそれよりも上の白が現れるって話よ」
そんなわけで、リリとステータスカードを見てみました。
【月宮 悠花】
スキル→異世界言語(白)丁寧な物言い(黄)五大魔法(白)聖霊魔法(判定不能)異世界の知識(金)聖霊リリアーナの加護(判定不能)健康(赤)心配性(赤)
はい........。
まず、スキルだかなんだかよく分からないものが約3つほど........。
それだけでなく、白レベルのスキルまでもがあります。
さらに、リリの関わったと思われるスキルはまさかの判定不能........。
これは真面目にやっている方にはすごく申し訳ないです。
リリに文句を言いたいです。
「リリ、あなたは火力が強すぎです........。」
ついつい、心の声が出てしまいます。
ですが、募集要項も実はきちんと満たされていてすごくよかったです。
後日談ですが、職業仲介センターのあの人に募集要項は満たされていていないと渡せない仕組みがあったからそんな心配する必要なんてなかったはず........と言われてしまいました。
何も知らないって恐ろしいです。
さて、明日は試験です。
早く寝て英気を養いましょう!!
それではおやすみなさい!